1952年2月6日、オーストラリア/ニュージーランドへの公式訪問に向かう途中、ケニヤで父ジョージ6世逝去の悲報がエリザベス王女(当時)に伝えられた。伝える重責を担ったのは、今は亡き夫君、フィリップ殿下。その悲報は、まだ25歳の若き新女王、エリザベス2世の誕生を告げるものでもあった。
1947年4月21日、21歳の誕生日に「ここで皆さん全ての前で誓います。長くとも短くとも、私はこの生涯を皆さんに、そして、私たち皆が属する英連邦に捧げることを」と宣言したとおり、70年たった今も、夫君フィリップ殿下の逝去という悲しいできごとを乗り越え、君主として公務に励む。ハリー王子夫妻の王室離脱、アンドリュー王子の訴訟問題など、頭の痛い問題を抱えながらも、真摯に責務を果たす女王。30余年にわたってクリスマス休暇を過ごした、お気に入りのサンドリンガム宮殿で、静かに即位70年の記念すべき日を迎えると伝えられる。この日は、父王の命日でもあり、お祝いはしたくない、というのが女王の率直な気持ちと見られている。
しかし、周囲では、今年の6月に控える大祝賀イベントに向けて、お祝いのムードを盛り上げていきたいというのが本音。一足先に、即位70年を記念する切手セットもロイヤル・メールから売り出された=写真。この笑顔をずっと見ていたいというのが英国民すべての願いといっていいだろう。God save the Queen!
By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)