■ロックダウンを受け、挙式を延期していたエリザベス女王(94)の孫、ベアトリス王女(31)が、17日に極秘で急きょ結婚したことを英メディアが報じた。この結婚には、孫娘を気遣う、ひとりの祖母としてのエリザベス女王が大いに世話を焼いたとみられている。
ベアトリス王女は、アンドリュー王子(60)の長女で、イタリアの旧伯爵家出身のエドアルド・マペッリ・モッツィ氏(37)と5月29日に結婚式を挙げる予定だった。しかし、コロナウイルス感染拡大によりやむなく延期。いつ再日程が組まれるか注目を集めていた。
もともと派手なことは苦手と伝えられるベアトリス王女。アンドリュー王子が性的人身取引、未成年売春の疑いで公務を引退するも、いまだに世間の風当たりは強いこともあり、つつましい式を望んでいたとされている。現在、英国では結婚式への出席者は最大30人に制限されており、ウィンザー城の敷地内にあるロイヤル・ロッジのオール・セインツ教会で催行された今回の式も、列席者は約20人と政府のガイドラインを遵守した形。
エリザベス女王とエディンバラ公(99)、アンドリュー王子、同王子とは離婚したものの今もロイヤル・ロッジで同居する母セーラさん(60)、妹のユージェニー王女(30)とその夫のジャックさん(30)のほか、マペッリ・モッツィ氏の前パートナーとの子供、クリストファーくん(3)を含むその親族など20人が、2人の門出を祝った。
このあと、ごく近い友人ら14人を招いてロイヤル・ロッジの庭で披露パーティーを催行。未明まで音楽とダンスに興じたあと、新郎新婦をはじめ、各参加者は庭に用意された「グランピング」(グラマラス=豪奢=とキャンピングを合わせた造語)の個別テントに引きあげ、幸せな1日を締めくくったという。
今回の挙式で際立ったのは、エリザベス女王の深い気遣い。まず、新婦のドレスは同女王がイタリア公式訪問にあわせて60年前に仕立てたものを手直ししたヴィンテージ・ドレス。ダイヤモンドがちりばめられた豪華なティアラは、エリザベス女王自身も結婚式で身につけたという由緒ある逸品。
お気に入りの息子であるアンドリュー王子の愚行により、晴れ舞台を控えめなものにせざるを得なかった孫娘をふびんに思う、ひとりの祖母としてのエリザベス女王の思いが伝わる式だったと言えそうだ。
By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)