英国の「母の日」が、米国や日本のように5月第2日曜日ではないことを、最初は意外に思った人は少なくないことだろう。
英国では、イースターの3週前の日曜日と決まっており、今年は3月11日だった。
もともとは「Mothering Sunday」と呼ばれ、自分の故郷の教会(mother church=洗礼を受けた教会)を訪れる日とされ、奉公人たちにとっては、実家に帰ることが許される「藪入り」を兼ねた祝日だったという。
今では、米国の母の日同様、自分の母親に感謝する日としての習慣が定着し、英国でもカード、花束やチョコレートなどのプレゼントを贈ったり、食事に招待したりする日となっている。
この母の日にあわせた調査で、「母親=mother」の短縮形である「マム」のつづりに変化が見られていることが明らかになった。「デイリー・テレグラフ」紙が伝えた。
英国では、「マム」は「mum」とつづるのが一般的。イングランド北部では「mam」や、中部イングランドでは「mom」とつづる例も見受けられるものの、「mum」とつづらないのは一部地域にとどまる。
ところが、今年の母の日には、「mum」用と「mom」用の両方のカードが店頭で見受けられたという。
イングランド北部のランカスター大学で言語学を専門に研究を続けるポール・ベイカー教授は、米国で一般的に使われる「mom」が普及しつつあることに驚きを示しつつ、人気アニメ『シンプソンズ』など、米国の子供向けテレビ番組の影響ではないかと、分析している。
by 週刊ジャーニー(Japan Journals Ltd, London)