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| 2013年5月9日 | |
ご当地ワインと郷土料理&名産物①ブルゴーニュ その5
葦が生い茂る荒地で生まれたワイン
ブルゴーニュ地方にワイン造りを紹介したのは古代ローマ人であることは既に述べた通り。そのローマ人が去った後もキリスト教の布教と並行してワイン造りが続けられた。10世紀にはブルゴーニュ地方マコン近くにクリュニーCluny派の修道院が創建され、11世紀になると、クリュニーはヨーロッパという一大宗教帝国の中心ともいえる存在に成長。そして、12世紀には傘下に約1,500の分院を擁する大修道会として、全西欧の精神世界を支配するまでになった。クリュニー派の権勢があまりにも強大だったために、修道僧たちは物欲に走り、贅沢三昧の生活に溺れるようになるわけだが、そこで本来の質素で厳格な修道精神に戻ろうとする一派がクリュニー派を去る。彼らがブドウ栽培に適した日当たりのよい土地を求めて落ち着いたところが、現在のブルゴーニュ地方コート・ドール地区のクロ・ド・ヴージョ畑Clos de Vougeot。当時、そのあたりは葦(アシ)が生い茂る荒地だったために、同一派はフランス語で「葦」という意の「シトーCiteaux」派と呼ばれるようになった。
ボーヌで繰り広げられる「栄光の3日間」
現在クロ・ド・ヴージョはブルゴーニュで最大のグラン・クリュー畑だが、そのクロ・ド・ヴージョの畑の中に接客用に建てられたシャトーが、今日、ブルゴーニュの『利き酒騎士団 シュヴァリエ・デュ・タートヴァンChevaliers du Tastevin』の本拠地となっている。
ところで、ブルゴーニュ・ワインの値段というのは、その年の11月第3日曜日にボーヌの町にあるオスピス・ド・ボーヌHospices de Beauneで行われるワイン・オークション(競り)によってほぼ決められる。この日曜日をはさんだ3日間は「栄光の3日間」と呼ばれ、ブルゴーニュ最大の祭りとなっている。初日はクロ・ド・ヴージョで利き酒騎士団の入団式と晩餐会、日曜日は世界中のワイン商らによるワインの競売、3日目はブルゴーニュ中の生産者の集まるムルソーでの昼食会が行われ、ボーヌの町はその3日間、大変な騒ぎとなる。最近では、中日である日曜日に、ボーヌのワイン・マラソンも行われるようになったという(詳細の問い合わせ先:ボーヌ観光局 6 boulevard Perpreuil, Beaune Cedex / Tel: 03 80262130 / contact @ Beaune-tourism.fr)。
騎士団の食卓を飾る「落とし卵」と「ブレス鶏」
このクロ・ド・ヴージョでの晩餐会でのメニューは毎年異なるものの、いつも含まれるものにレ・ズフ・オン・ムレット・ヴィニェロンLes Oeufs en Meurette Vigneronne(「ブドウ栽培者風ポーチト・エッグ」)=写真すぐ上=という一品がある。これは、一見、何ともない「ワインを使った落とし卵」なのだが、実はなかなか手の込んだ料理(レシピはwww.tastevin-bourgogne.com/en/index.php?page=136参照)で、きわめて美味。ガーリック風味のバゲットの薄切りと一緒に食す。ペルナン=ヴェルジュレスPernand-Vergelesses、モンテリMonthelie、メルキュレMercureyといった赤ワインとよく合う。また、この料理はブルゴーニュのほとんどのレストランで注文できるので、ぜひ試していただきたい。
さて、落とし卵もさることながら、ブルゴーニュは名高いチキンの産地でもあることは、ご存知の方も多いだろう。「ブレス鶏 Poulet de Bresse」=写真右下=といって、飼育の仕方が法律で特別に規定されている。飼育期間は最低18週間(ボイラー鶏は6~8週間とされるので、その長さがお分かりいただけるはず)。飼育スペースは1羽につき最低10平方メートル(ボイラー鶏の場合、10平方メートルに70~80羽)、餌は自然の草や種、ミミズのほか、地元のトウモロコシや麦、牛乳や脱脂粉乳といったラインアップ。羽はすべて手で素引きされるなど、実に手間暇のかかった、世界で最高級においしい、また値段も高い地鶏といえる。コクのあるブルゴーニュの白ワインとじっくり味わいたい。












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