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| 2012年11月8日 | |
おすすめワイン産地めぐり⑳ 英国産ワイン まとめ
上流階級の人々しか楽しめなかったワイン
英国におけるブドウ栽培の歴史は1800年とも言われているが、飲料水が安全ではなかった16世紀初期の英国の一般的な飲み物といえばエールやビール(子供はミルクを飲んでいた)、17世紀になるとサイダーやペリー(ナシからつくるアルコール飲料)で、ワインは輸入品だったために、飲むことができたのは裕福な人々だけだった。18世紀には、ヨーロッパへのグランド・ツアー(見聞旅行)が上流会階級で流行。経済的に恵まれた家庭の若者たちが洗練された教養を身につけて帰国すると、ジェントルマンズ・クラブと呼ばれる会員制の社交の場を結成し、そこでワインを楽しむようになった。
お手柄! スーパー・マーケット
英国の一般庶民がワインを生活の一部として気楽に味わうようになったのは、グループ・ツアーが紹介され、ワインがスーパー・マーケットで売られるようになった1970年代頃からとされている。それまでワインは、高級なワイン商で売られ、ワインを知っている限られた人々だけが買うものと相場が決まっていた。ところが、グループ・ツアーが組まれるようになると、旅慣れていない人々も旅行ができるようになり、外国で飲んだワインを帰国した後にも飲みたいと思う人も増加。しかし、高級ワイン商に入る勇気もない…という消費者の心を読んだスーパー・マーケットの『お手柄』といえる。また、その頃ちょうどニューワールドではボトルにブドウ品種名を明記することが始まり、これがまたスーパー・マーケットのワインの売り上げを伸ばす手助けとなった。今では、なんと英国のワイン売り上げ量の95%強をスーパー・マーケットが占めている。
新しい人気者
英国ではどの位ワインが売られているかというと、IWSR (International Wine and Spirit Research)によると、2011年は約20億8千万リットル。ワイン別では、白ワインが全体の45%、赤ワインが43%、そしてロゼが12%。過去10年間の変化を見ると、白ワインが7%アップ、赤ワインが6%アップであるのに対し、ロゼの売り上げが急増し139%もアップしている。季節や料理を選ばず、値段も手頃なのが理由のようだ。
なお、英国ではほとんどのワインは輸入品だが、IWSRの2011年の統計によると、英国で一番多く輸入されているのはオーストラリア産ワイン、次いでイタリア産、そしてフランス産、アメリカ合衆国産と続く。以下、スペイン産、チリ産、南アフリカ産、ドイツ産、ニュージーランド産、アルゼンチン産ワインの順だ。過去10年間の変化をみると、フランス産とドイツ産ワインの消費量の減少がめだつ。オーストラリアは9%アップ、イタリアは69%アップとなっているがフランスは34%ダウン。また、アメリカ合衆国は59%アップ、スペインも78%アップ、チリも83%アップと順調な伸びを見せた。このほか、南アフリカは1%アップ、ドイツは52%ダウンだったが、ニュージーランドにいたっては283%アップ、そしてアルゼンチンも62%アップとなっている。
ワインを飲むのは国家のため!?
英国では大人一人当たり年間平均で27.9リットルのアルコール(ワインを含む)を飲んでいるのだが、英国酒税はヨーロッパ諸国と比べてもかなり高い。非発泡性ワイン1本に対する酒税は1.90ポンド。持ち帰って飲むワインの場合、英国民が支払うワイン1本の平均価格は4.32ポンドという(しかし、7ポンド以上払ってもよいという人の数が去年より30%増えている点は注目に値する)。
例えば、4.32ポンドから酒税の1.90ポンド、プラス消費税を引くと、瓶代、コルク代、ラベル代、こん包費、輸送費など込みで2.01ポンドがワイン本体ということになる。一方、2011年の酒税とアルコール消費税の合計が16億ポンドなので、去年は、大人一人当たり一年間で316ポンドも国に支払った計算になる。「Oh dear!」と言いたくなる金額だが、美味しいお酒はやめられるはずもない。折りしも、これから年末年始にかけてはワインを飲む機会もぐっと増えるだろう。くれぐれも飲みすぎにはご注意を。












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