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| 2012年10月11日 | |
おすすめワイン産地めぐり⑳ 英国産スパークリング・ワイン その6
小泉八雲の子孫が手がけるワイン
英随筆家、批評家、そして怪談作家として活躍した小泉八雲は、日本文化を海外に紹介し、また日本に西洋文化を伝授した人物としてあまりにも有名だが、この八雲の子孫が経営するワイナリーがイースト・サセックスのルイスLewesにある。ワイナリーの名は、ブレイキー・ボトムBreaky Bottom(www.breakybottom.co.uk)。オーナーはピーター・ホールさんで、父方の祖母の母親、つまりひいおばあさんのミミ・シャーロット・ハーンMimie Sharlot Hearnさんが小泉八雲の腹違いの妹という。すなわち、ピーターさんにとって小泉八雲はグレイト・グランド・アンクルGreat Grand Uncle(祖母のおじ)にあたる。ちなみに小泉八雲とは、松江士族の娘小泉セツと結婚したラフカディオ・ハーンLafcadio Hearnの帰化後の名前だが、ハーンをもじって「ハウン」=八雲と名づけたようだ。
38年前に始まった挑戦
八雲どころか、空はいつも雲だらけか雨という天候であるにもかかわらず、ピーターさんはニューカッスル大学卒業後、養豚場経営を経て、1974年からブドウ園を始めたという、イングランドでも草分け的存在のスパークリング・ワイン生産者。フランス人の母親を持つピーターさんは、子供の頃から(彼の言葉によると「ベイビー」の頃から)ワインをたしなみ、ワイン造りは生涯の仕事と決めていたという。ブドウ園名のブレイキーBreakyとは灌木の茂み、ボトムBottomとは乾燥した石灰質のヴァレー(流域)を示すが、この地にその可能性を見出してから40年近く挑戦を続けている。
シャルドネ、ピノ・ノワールへの舵きり

小泉八雲の肖像(1889年)今では、イングランド産スパークリング・ワインのほとんどは、シャンパーニュと同様のシャルドネやピノ・ノワールといった品種を使って造られているが、ピーターさんがブドウの樹を植えた当時は、それらの品種改良が進んでおらず、英国での栽培に期待が持てなかったために、彼もドイツ品種やフランスで開発されたセイヴァル・ブランSeyval Blanc種を植えた。当初は非発泡性ワインを造ったが、ここ20年間はスパークリング・ワイン造りに徹している。現在6ヘクタールあるブドウ畑のうち、4.5ヘクタールにセイヴァル・ブラン種、1.5ヘクタールにシャルドネ種とピノ・ノワール種を植えている。シャルドネ種とピノ・ノワール種の安定した収穫が見込めるようになってきたことから、今後は、セイヴァル・ブラン種の畑を次第にこれら2種の畑に代えていく方針だという。
受け継がれるこだわり
ブレイキー・ボトムのワインは過去多くの賞を獲得しているが、セイヴァル・ブラン種から造られた1992年ものブレイキー・ボトムは1997年の英国ワイン品評会でベスト・スパークリング・ワイン金賞に、セイヴァル・ブラン種、シャルドネ種、ピノ・ノワール種から造ったブレイキー・ボトム・キュヴェ・フランチーヌBreaky Bottom Cuvee Francine 2007は、2011年デカンタ世界ワイン品評会で銅賞、英国ワイン品評会で銀賞に輝いている。また、100%セイヴァル・ブラン種から造られたブレイキー・ボトム・ブリュットBreaky Bottom Brut 2006は花の香りをもつエレガントなワインで、Waitroseで購入することができる。
ブドウ栽培から醸造まで、情熱と強いこだわりを持って造られる彼のワインに、句読点一つであっても一切誰の手も加えさせなかったというほど自分の文章にこだわり、『オールド・セミコロン』とあだ名をつけられたとされるラフカディオ・ハーンの面影が見える。












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