2011年9月8日 No.693

 

おすすめワイン産地めぐり⑰   イタリア・トスカーナへの旅 その3

 

 

 

ブドウ園で造られる上質なオリーブ・オイル

 

今号でもさらに、トスカーナ地方についてご紹介することにしたい。グリルしたパンに肉やレバーをのせて食べるクロスティーニcrostiniにしても、グリルしたパンにガーリックをこすりつけ、塩をかけて熱いうちに食べるフェットゥンタfettuntaや、トーストしたパンにトマトとバジルをのせて食べるブルシェッタbruschettaにしても、オリーブ・オイルをたっぷりかけて食べるのがトスカーナ風。イタリアは、スペインに次いで世界第2のオリーブ・オイルの生産国だが、ここトスカーナは特に上質のオリーブ・オイルが生産されることで有名だ。オリ-ブ・オイルは、ワイン同様、循環器系疾患のリスクを減らす可能性があるとして注目されている。黒、茶色、緑とさまざまな色のものがあるが、これは、収穫時期の違いによることはご存じの読者も多いと思う。また、オリーブ・オイルには、単にオリーブ・オイルと明記されたもの、バージン・オリーブ・オイルと書かれたもの、そしてエクストラ・バージン・オリーブ・オイルと称されるものとあるが、トスカーナはこのエクストラ・バージン・オリーブ・オイルの生産量が多い。ここのエクストラ・バージン・オリーブ・オイルは、オリーブ・オイルの中でも上質とされ、しつこさがなく、果実香味が高いので、先に挙げたような香りを活かした料理に合う。イタリア国外では入手しづらそうなほど上質のものをトスカーナの大抵のブドウ園で造っているので、ワインを購入する際、同時にオリーブ・オイルも買い求めると便利だ。なお、オリーブ・オイルは造られてから2ヵ月以内に消費するのが良いとのこと。気前よく使っていただきたいものだ。。

 

小さな村スヴェレトでトスカーナ滞在を満喫

 

さて、カベルネ・ソーヴィニョン種やメルロ種で成功した、イタリアのいわゆるニューワールドとも呼べるボルゲリの海岸地区を後にして、丘陵地帯をさらに35キロほど東南に下がると、丘の上にたたずむスヴェレトSuveretoに着く。在住者の人口は1000人にも満たないという、中世の趣を残す小さな村だ。ここには、12世紀に建てられたと伝えられる修道院をモダンに改築した、「Casa Vacanze Il Chiostro」というホテルがある(www.vacanzeilchiostro.it)=写真。短期の宿泊にも長期滞在にもぜひお薦めしたい魅力的なホテルだ。各部屋は大変広く、インテリアが素敵であるだけでなく、居間やキッチンが付いている客室もあって快適。また、周辺にはローカル・レストランが多いのもうれしい。

 


 

 

古都シエナに泊まるのもお薦め

 

もっと大きな町に泊まりたければ古都、シエナまで足を運ぶのがよいだろう。12~14世紀にフィレンツェと激しい戦いが繰り広げられ、その戦いの一つにキャンティ・クラッシコ・ワインに黒い雄鶏マークがつくようになった由来があること、そしてここで見逃せないパリオ・ディ・シエナPalio di Sienaと呼ばれる町対抗競馬について以前説明した(2010年3月11日号参照のこと)。同競馬は毎年7月2日と8月16日に、町のど真ん中の広場で行われるので、広場に位置するホテルで広場を眺められる部屋を予約するのがベスト。ただし、言うまでもないが、ホテル予約はかなり前に済ませておくことが肝心。さて、ここシエナから北のフィレンツェまでの約70キロの間に、トスカーナ州で最も伝統的なワインであり、テレビドラマ化もされた漫画『神の雫』で話題になったヴィーノ・ノービレ・モンテプルチャーノや、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、キャンティ、そしてキャンティ・クラッシコの産地がある。9月8日号でははこれらの産地やワイン、見どころをご紹介しよう。

 

ミヨコ・スティーブンソン Miyoko Stevenson
Chevalier du Tastevin(利き酒騎士)団員。Jurade de St-Emilion団員。
International Wine Challenge審査員。Slow Food審査員。
ワイン関連の訳書・著書あり。現在、ロンドンでワイン教室を主宰。
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