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| 2012年3月8日 | |
おすすめワイン産地めぐり⑲ スペイン・リオハを味わう旅 その4

巡礼者のためのワイン
エルサレム、バチカンとならび、キリスト教三大聖地とされてきた、スペインのサンチャゴ・デ・コンポステラ。この地への巡礼路のうちスペイン内にあるルートは、1993年に「サンチャゴ・デ・コンポステラの巡礼路」としてユネスコの世界遺産に登録されるなど、歴史的意義がきわめて高いと認識されている。リオハはこの巡礼路上にあり、リオハ・ワインは長旅に疲れた巡礼者を癒す酒として古くから愛されてきた。カンタブリア山脈に3方を囲まれた、広大なすり鉢型の丘陵地帯であるリオハはエブロ川上流にあり、その名称もエブロ川の支流、リオ・オハRio Oja(オハ川という意味)にちなんでいることは、既にご紹介したとおりだ。
もともとスペインは、紀元前に古代ギリシャ人によってブドウ栽培の技術が持ち込まれ、古代ローマ帝国時代の主要なワイン供給地だったという過去を持ち、ヨーロッパでも特にワインの歴史が古い。リオハの上質ワインの産地は約6万4千ヘクタールあり(ちなみに、フランスのボルドーは約10万ヘクタール、ブルゴーニュは約4万7千ヘクタール)、ここでも長きにわたり、伝統的な方法でワイン造りが行われてきた。しかし、20世紀終わりごろから、このリオハにも新しい風が吹き始める。
ニュー・ワールドからの心地よい刺激
1970年代後半から様々なワイン品評会でニュー・ワールド(※)のワインが高く評価され、また、歴史的なテースティング会とまで言われる大ブラインド・テースティング会でボルドーやブルゴーニュの超有名ワインをさしおいて、ニュー・ワールドのワインが優勝すると、ニュー・ワールドのブドウ栽培法やワイン醸造法が、ヨーロッパのワイン世界に大いに影響を及ぼすようになった。
伝統を重んじるヨーロッパのワイン法が見直され、スペインでは特に1986年に欧州連合(当時は「欧州諸共同体」と呼ばれていた)に加盟して以来、その近代化が急激に進められたことは、先月の9日号内でも触れた。スペインは、世界第1位を誇るブドウ栽培面積を有しているにもかかわらず、半砂漠地帯が多く、古樹が多いために1ヘクタール当たりの収穫量が少なく、生産量は世界第3位にとどまっている。しかし、1996年から灌漑が推進されるようになったのに加え、国際ブドウ品種の栽培が認可されたことから、ニュー・ワールドからの技術を取り入れる動きも見られるようになった。
※ニュー・ワールド:歴史上古くからワイン造りが行われてきた、ヨーロッパ周辺地域(代表的な産地はフランス、イタリア、スペイン、ドイツのほか、オーストリア、ハンガリーなど)に対し、近代以降になってワイン造りが始まった地域を「ニュー・ワールド」と呼ぶ。アメリカ合衆国(生産量の9割はカリフォルニア州で産出される)、カナダ、アルゼンチン、チリ(南米を代表するワイン生産国)、南アフリカ(ニュー・ワールドとしては、17世紀の半ばと比較的古くからワインの生産が行われてきたが、長く続いたアパルトヘイトの影響もあり、この国のワインが国外に出るようになってからはまだ日が浅い)、オーストラリア、ニュージーランドといった主要地域のほか、ルーマニア、旧ユーゴスラビア諸国、ブルガリア、ギリシャ、グルジア、トルコ、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ地域、レバノン、キプロスなども含む。
国際市場への飛躍

フィンカ・バルピエドゥラのブドウ畑。驚くほど石が多い。さらに、ワイン法が改正されたことによって、今後のワイン産業の拡大が期待されている。ワイン法の改正に伴いワインの格付けも再検討され、以前は国際的なブドウ品種の栽培に特化していたためにワインの格付けの対象外だった、評価の高い単一畑に適用されるビノ・デ・パゴVinos de Pago(VP)という格付けが2003年から新たに導入された。これにより、ブルゴーニュでいうところのクリマclimat、つまり、単一畑のテロワール(土壌、微気候、品種の組み合わせによる個性)を表現したワイン造りが始まり、国際ワイン市場で活躍できるワインが増えてきた。2010年現在、スペインでは9ヵ所のブドウ園がパゴに認定されている。その中にフィンカ・バルピエドゥラFinca Valpiedraとボデガ・バルサクロBodegas Valsacroがある。
次の4月12日号では、この2つのボデガ(ワイナリー)について、詳しくご紹介することにしたい。
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ミヨコ・スティーブンソン Miyoko Stevenson |












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