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新しい夫婦のカタチ!?
ブレンドネームが流行中!

 

■「結婚後も自分の名字を維持したいけど、別姓はイヤ。でも2人の名字をつなげた複合姓(ダブルネーム)は長すぎて格好悪い…」。近ごろ、そんな『現代的』思考の英国人女性が増加。この悩みを解消すべく、若い世代のカップルたちが結婚を機に「新たな名字作り」に取り組み始めているという。

 「夫婦同姓」が法律で定められている日本。そのため、結婚後は夫(または妻)の名字に統一しなければならないが、所変われば常識も法律も文化も変わる。たとえば、韓国は「夫婦別姓」の国。婚姻後も男女問わず父系の名字を名乗り続けるため、家庭内では妻だけ名字が異なっている。なので、女性が子連れ再婚をした場合、一家全員の名字がバラバラ…ということもあるらしい。
では、英国はどうなのか?
実は、結婚後の名字について法的な規定はなく、「夫婦同姓」「夫婦別姓」のほか、2人の名字を組み合わせた「複合姓」を用いることも可能(英女優のヘレナ・ボナム=カーターなど「=」で繋げる表記が多い)。とはいえ、妻が夫の名字を名乗る「夫婦同姓」が一般的のようだ。

 ところが今、ロンドン在住の若い世代のカップルを中心に、ユニークな変化が起きている。2人の名字の一部だけを組み合わせて、新しい名字をつくる「Little mixes surnames」が流行っているというのだ。この『ちょっとだけ混ぜる』って一体どういうこと?


※写真はイメージです。

 具体的な例を見てみると、Dawn PorterさんとChris O’Dowdさんが結婚する場合は「O’Porter」。Richard SimsさんとSarah McShayさんの場合は「McSims」。ほかにも、Johnny SevageさんとClaire Pettsさんなら「Pevage」や「Sevetts」といった具合になるそう。こうした新名字の作成や手続きを専門とする会社「UK Deed Poll Service」も登場し、ウェディング業界でいま注目を集めている。

 調査によると、この「ブレンドネーム」を申請する英国人カップルは、年間で800組以上。20代から30代前半の人が多く、新たな生活を歩み出す記念として、あるいは「これまでの自分が『消失』せずに済むし、新たな部分が加わることによって結婚した実感もわく」と、女性からの評価が非常に高いとのこと。
さらに、少子化という現代の社会問題とも無関係ではなく、男性の兄弟がいなかったり、一人っ子だったりする女性の場合、夫の名字に変えることで自分のルーツである実家の名字を途絶えさせたくない! と考える人もいることが、背景にあるとされている。いずれにせよ、どうやら女性の意見が強く反映された現象であるのは間違いなさそうだ。
ちょっと珍しい自身の名字を気に入っている筆者にとっても、なかなか興味深いブレンドネーム。でも離婚率の高い英国では、さらに面倒な懸案事項が増えるだけかも?    (文/本誌編集部 中小原和美)

  2014年3月13日 No.821

 

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