■古代ギリシャでは「黄金の液体」と呼ばれて大切にされてきたオリーブオイルが1年で2倍以上も高騰した。「メトロ」紙(電子版が)が報じた。

価格高騰の原因は天候不順による不作。2023年3月と4月にスペインで起きた熱波と干ばつはオリーブ農園に壊滅的な影響を及ぼした。スカイニュースの調査によると英国では500ミリリットル入りのオリーブオイルの平均価格は2021年1月の3.54ポンドから7.45ポンドと110.5%も上昇。消費者はオリーブオイル以外の油に目を向けていると言われる。さらにここ数年、安価なオイルをエクストラバージンオリーブオイルと偽って高値で販売する詐欺集団まで登場。昨年、ギリシャではひまわり油をオリーブ油に似せて色付け、販売していた親子が逮捕された。
11月にはスペインとイタリアの警察が協力して偽造オリーブオイル・ギャングを摘発、11人を逮捕。食用に適さないオリーブオイル26万リットル以上と現金9万1000ユーロを押収した。一味はオリーブオイルを薄めるため低品質のランパンテ・オリーブオイルを使用していた。ランパンテ・オリーブオイルはかつてランプオイルとして使用されたオイルで不快な臭いがあり、食用には向かないとされる。アメリカでも大量の偽オリーブオイルが販売されている。2010年の調査では、米国に輸入されたヨーロッパ産オリーブオイルの69%が、謳われている品質に達していないものだったという。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)