■ ロングランの有名ミュージカルからシェイクスピア古典劇、はたまた人気役者たちが出演する芝居まで、さまざまな作品を鑑賞することができるロンドンのウェストエンド。ここ最近は、ジブリ作品の舞台版も高い評価を受けて話題になっている。今回は、今年上半期に上演されるものの中で、オススメの作品を6つ紹介したい。(文/名取由恵)
舞台版「千と千尋の神隠し」がロンドンに!Spirited Away
2022年3月に東京・帝国劇場で初演されたスタジオジブリのアニメ映画の舞台版「千と千尋の神隠し」が、ウェストエンドにて初の海外公演を行う。日本人キャストによる日本語での海外上演としては、演劇史上最大規模となる。ロイヤル・ シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアードによる翻案・演出。英語の字幕つきで上演。
舞台版「となりのトトロ」、大好評で再演中!My Neighbour Totoro
スタジオジブリによる名作アニメ映画「となりのトトロ」の舞台版。作曲家の久石譲がエグゼクティブ・プロデューサーを務め、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーと日本テレビの共同製作により、世界で初めて舞台化された。昨年初演された際には劇場の興行記録を更新、ローレンス・オリヴィエ賞の6部問を受賞するなど、話題を集めた大ヒット作の再演。
北ロンドンの超常現象をもとにしたホラー劇The Enfield Haunting
1970年代に、シングルマザーと3人の子どもたちが住む北ロンドンの公営住宅で起きたポルダーガイスト事件。これまでにも何度かドラマ化されているが、英医療ドラマ「Casualty」のクリエイター、ポール・アンウィンが世界初の舞台化に挑む。出演は「ドクター・フー」のキャサリン・テイトと「恥はかき捨て」のデヴィッド・スレルフォール。
あの人気ドラマ・シリーズの前日譚 Stranger Things: The First Shadow
Netflixドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の舞台版。1959年、米インディアナ州の架空の町ホーキンスにヘンリー・クルールが引っ越してきたことをきっかけに、謎の出来事が起こっていく。演出は「リトル・ダンサー」のスティーブン・ダルドリー。ドラマ版の最終シーズンとなるシーズン5の鍵を握るストーリーとも言われており、ファンは見逃せない。
Phoenix Theatre(最寄り駅:Tottenham Court Road)
チケット:£20~
https://uk.strangerthingsonstage.com
ハリウッド随一のおしどり夫婦の共演Plaza Suite
米劇作家ニール・サイモンによるコメディ劇。1960年代後半、ニューヨーク市にあるプラザホテルのスイート719号室を舞台に、それぞれ悩みを抱える3組のカップルたちを描く。話題の中心は、実生活でも夫婦であるスーパースターのサラ・ジェシカ・パーカーとマシュー・ブロデリックの共演。サラ・ジェシカは、今回がウェストエンド初登場。
マイケル・ジャクソンのミュージカルMJ The Musical
世界最高のエンターテイナーとして人気を集めた『キング・オブ・ポップ』の故マイケル・ジャクソンの半生を、「ビリー・ジーン」「バッド」などのヒット曲を中心にした39曲と共に描いたミュージカル。幼少期から1992年のデンジャラス・ワールド・ツアーまでの経緯を振り返っていく。米ブロードウェイで大ヒットし、トニー賞4冠に輝いた作品。
Prince Edward Theatre(最寄り駅:Leicester Square/Tottenham Court Road)
チケット:£20~
www.princeedwardtheatre.co.uk
週刊ジャーニー No.1326(2024年1月25日)掲載