ワインにまつわる今月のトピック㉚ ハンガリーとオーストリアのスパ-クリング・ワイン事情

ハンガリーの スパークリング・ワイン

シャンパーニュ以外のフランス産スパークリング・ワインに続いて、今回は、ハンガリーとオーストリアで造られる品質の高いスパークリング・ワインをご紹介しよう。

まず、ハンガリー。ここでは、スパークリング・ワインを「発泡性」という意味の「パズグーPezsgő」と呼んでいる。ハンガリーと言えば、甘口ワイン党にはたまらないトカイTokajiで有名ながら、スパークリング・ワインも複数の産地で造られている。プロセッコと同じ製法で造られるものもあるが、今回は、シャンパーニュと同じ製法のみを使うクレインバッヒャーKreinbacher(https://kreinbacher.accenthotels.com/en/galeria/estate-visit)を取り上げたい。

このメーカーのスパークリング・ワインは、幾つもの国際発泡性ワイン品評会で受賞しており、ハンガリーで最も優れたスパークリング・ワイン会社として有名だ。国際品種と、トカイの貴腐ワインをつくるフルミントFurmint種やハーシュレヴェリューHárslevelű種、その他の土着品種を使って素晴らしいスパークリング・ワインを生み出している。今回お勧めしたいのは、白い果肉の果実の香味とワインにふくよかさを与えるシャルドネChardonnay種と、緑色の果実の香味とシャープさを備えるフルミント種から造られたクレインバッヒャー・ブリュット・クラシックKreinbacher Brut Classic=写真右。青いリンゴと柑橘類、グレープフルーツ、白桃、トロピカル・フルーツ、花の香味に、ナッツやビスケットの風味を備えた複雑で深みのある味わいを持つ、エレガントなスパークリング・ワインだ。

「Best of Hungary UK」(www.bestofhungary.co.uk/products/kreinbacher-brut-classic)で24.50ポンドで購入できる。

© Kobako

イタリアのピザに似たローカル・フードであるランゴッシュLangos=写真右=と合わせて試してみていただきたい。


オーストリアの スパークリング・ワイン

さて、次はオーストリア。ここには、1842年創業で、シャンパーニュと同じ製法で造るスパークリング・ワインのメーカーとして最古兼最大のシュルンベルガーSchlumbergerがある。ハプスブルク家御用達の由緒あるメーカーで、そのスパークリング・ワインはオーストリアのシャンパーニュと称されている。創始者のロバート・シュルンベルガーはシャンパーニュで一番古い老舗、ルイナールRuinartで修行し、そこでセラー・マスター&プロジェクト・マネージャーにもなった人物だ。以前は英国でも容易に入手できたのだが、近年は入手が困難になっているのが実情。しかし、シュルンベルガー・スパークリング・ブリュット・クラシックSchlumberger Sparkling Brut Klassikのロゼと白のBrut(辛口)は「Austrian Food UK」 (https://austrianfood.co.uk/austrian-drinks-2#/manFilters=41)で購入することができる(ロゼは20.99ポンド、白=写真右=は21.99ポンド)。ロゼは、ピノ・ノワールPinot noir種、ツヴァイゲルトZweigelt種、サンローランSaint Laurent種から造られ、白はシャルドネ種、ピノ・ブランPinot blanc種、ヴェルシュリースリングWelschriesling種から造られている。

仔牛のカツレツ、ヴィーナー・シュニッツェルWiener Schnitzel(ウィーン風カツレツ)にぴったりのスパークリング・ワインだ。入手する機会があれば、秋の長い夕べを楽しく彩ってくれることだろう。

週刊ジャーニー No.1210(2021年10月14日)掲載

ミヨコ・スティーブンソン Miyoko Stevenson

WSETディプロマ取得。Circle of Wine Writers会員。Chevalier du Tastevin(利き酒騎士)団員。Jurade de St-Emilion団員。Ordre des Coteaux de Champagne団員。国際日本酒利き酒師。The Guild of Freemen of the City of London会員。ワイン関連の訳書・著書あり。

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