■ 英政府は、イングランドの国立博物館について、海外からの観光客を含め、今後もすべての来館者を無料で受け入れる方針を決めた。財政難への対応策として、外国人から入場料を徴収する案を検討していたが、国内在住の外国人も対象となった場合、来館者の大幅な減少への懸念などから、導入を見送った。各メディアが報じた。

イングランドの15の国立博物館(うち12館はロンドン)は、2001年から原則として誰でも無料で入館できる制度を続けている。しかし、博物館の財政的な負担が増す中、政府は今年3月、海外観光客から料金を取る可能性を検討すると発表。観光業界や博物館、自治体などとの協議を進めてきた。昨年公表された元労働党議員マーガレット・ホッジ氏の調査で、外国人観光客への課金はニュージーランドやシンガポールなど、海外の事例に合わせる方法が検討されてきたとされる。
しかし、文化・メディア・スポーツ省(DCMS)は、どの程度の収入増が見込めるか博物館によって大きく異なると判断。また、課金によって国内の来館者が減る可能性も指摘されていた。リサ・ナンディ文化相は「博物館は世界を照らす場所。だからこそ、永遠に、誰もが無料で利用できる場所でなければならない」と述べた。国立博物館は、観光産業にも大きく貢献している。2025年には自然史博物館が約710万人、大英博物館=写真=が約640万人を受け入れ、国立博物館全体で年間10億ポンド以上の経済効果を生み出しているという。
自然史博物館のダグ・ガー館長は、同館は課金によって恩恵を受ける可能性があったとしながらも、「無料の博物館は経済への負担ではなく、観光による経済効果を生み出す重要な源となっている」とし、今回の判断を歓迎している。政府は今後、博物館向けの基金「Arts Everywhere」から約7億6000万ポンドを拠出するほか、国立博物館の施設整備に約6億ポンドを充てる。さらに、長期的に安定した運営を可能にする事業モデルへの転換も支援する方針だ。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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