東京とは異なり、ロンドンには、「ロンドン駅」というものはなく、英国の各方面からロンドン中心部に向かって走る主要路線の「ターミナル」駅が複数存在する。例えばスコットランドの首都エディンバラからグレート・ブリテン島の東岸を走る路線のターミナル駅はキングズ・クロス駅。イングランド南部、南西部からの路線はヴィクトリア駅を終着駅とし、イングランド西部からの路線のターミナル駅はパディントン駅という具合だ。
ケント方面からの路線のターミナル駅となっている、ロンドン・ブリッジ駅もそうした主要ターミナル駅のひとつ。年間でのべ5000万人が同駅を利用しているとされるだけに、2013年に大改修工事が始まってから、不便を強いられてきた乗客の数は、のべ数億人に達する。
10億ポンドをかけて行われた大改修工事が、5年という長い時間の末、ようやく完了したことを「メトロ」紙などが報じた。
利用客の増加にともない、電車の本数も増えたが、それに対応できるだけのプラットホームがなかったロンドン・ブリッジ駅。
このほど、5つの新しいプラットホームが設置され、キャノン・ストリート駅まで走る電車は原則としてすべてロンドン・ブリッジ経由となる。
5月までには、1時間に18本、12月までには1時間あたり20本の電車の発着が可能になる。
プラットホームが「あかない」からと、これまでは幾度となく、駅を目前にあしぶみ停車を余儀なくされ、結果として遅延を慢性的に経験してきた乗客にとっては、待ちに待ったリニューアル・オープンといえる。