ホテル・カフェ・ロイヤル　オスカー・ワイルドが愛した絢爛豪華さ

１８６５年、フランスのワイン商人が創業した「カフェ」を起源とする、リージェント・ストリート沿いの５つ星ホテル「カフェ・ロイヤル」。ウィンストン・チャーチル、エリザベス・テイラー、デヴィッド・ボウイなど、多くの政治家や著名人が集う社交場として人気を集めたのが、ホテル内にあるダイニング・ルームだ。

耽美派作家のオスカー・ワイルドが、のちに男色罪で逮捕・収監される原因となった、16歳下の同性の恋人としばしば食事を楽しんだのも、この場所。ヴェルサイユ宮殿の「鏡の間」をモデルにした煌びやかな空間で、グランドピアノの生演奏を聴きながら、香り高い紅茶とともに過ごすひとときは格別だ。

「オスカー・ワイルド・ラウンジ」と現在呼ばれているダイニング・ルームでは、ヴィクトリア女王の生誕２００年を記念し、女王をイメージした「クイーン・オブ・アフタヌーンティー」を提供中（11月末まで）。ヴィクトリア女王が好んだ「ヴィクトリア・スポンジ」のほか、彼女の人生からインスピレーションを得てつくられたケーキが並ぶ。

非日常感に彩られた世界で、名立たる著名人たちがどのような会話を交わしたのかを想像しながら、午後のティータイムを堪能してみては？

早すぎた美の殉教者 オスカー・ワイルド