6月中旬に発売開始 ロンドン生まれの日本酒登場!

6月中旬に発売開始

ロンドン生まれの日本酒登場!

■日本酒が「Sake」として定着しつつあるロンドンに今年、酒蔵(sake brewery)が誕生した。来月にはセルフリッジズでの販売が始まるという。南西部ペッカムにあるブルワリー「Kanpai」を訪ねた。

2017年5月25日 No.985


左のボトルが純米酒、右がにごり酒。ラベルにはロンドンの街並みと日の丸を思わせる赤い丸印が描かれている。

【写真上】ウィルソンさん(左)とホームズさん。平日はそれぞれ企業に勤めており、終業後と週末に『酒蔵』を訪れ、杜氏業に勤しむ。醸造所を拡大するための資金をクラウド・ファウンディングで募集中。 【写真下】ロンドン初の酒ブルワリー。この狭いスペースで日本酒が生まれ、送り出される。

日本酒を取り扱うレストランやバーが増え、一部の大手スーパーマーケットでも購入できるようになった、ここ英国の「Sake」事情。ミートアップ・イベントやテイスティング・パーティーも各地で催され、人気のほどがうかがえる。そんな英国の酒シーンが次のレベルに到達したようだ。

向かった場所はペッカム・ライ駅から徒歩5分。印刷スタジオ、ビール醸造所などが集まる倉庫街の一角にあるブルワリー「Kanpai」を覗いてみると、6畳ほどの小さなスペースに酒造り用のタンクが2つ並んでいた。

日本酒愛飲歴15年というトム・ウィルソンさんとルーシー・ホームズさんは3年前に旅行で訪日。各地の酒蔵を巡った際にその味に魅了されたという。帰国後、自宅で醸造を開始。趣味が高じて、今年2月にウィルソンさんが日本で酒造技術を学ぶと、同月この場所を借り、本格的に酒造りを始めた。

ビールやワインといった醸造文化が育まれている英国とはいえ、日本とは異なる環境でのチャレンジ。醸造用のタンクを特注したり、ロンドンの硬水に合わせた造り方を模索したりと「美味しい酒」を求めて努力を重ねたという。

造られる酒は基本的に1回限りの限定醸造。米やイーストの種類、組み合わせに変化を加え、「新しいタイプの酒に挑んでいきたい」とウィルソンさん。「過去にビールやシャンパン用のイーストで醸造を試したことがあります。特にシャンパンは良かった。今後、素材の組み合わせを変え、新しい味に挑戦してきたい」と意気込んでいる。

「Kanpai」は6月中旬からセルフリッジズで発売されることが決定している。純米酒(Pure Junmai Sake)は、山田錦を用いた日本酒らしいマイルドな香りとすっきりした飲み口が特長。一方、にごり酒(Cloudy Nigori Sake)は、まろやかな甘さが感じられ、「食後にチョコレートなどと一緒にぜひ」(ウィルソンさん)。セルフリッジズを皮切りに、各地のショップでも販売される予定だという(1本330ml、15ポンド程度)。日本を代表する酒がこれから英国でどう発展するのか、楽しみ!(文/本誌編集部 西村千秋)

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