改修工事を経て再オープン ヘイワード・ギャラリー Hayward Gallery

■ 芸術複合施設「サウスバンク・センター」の一角をなす「ヘイワード・ギャラリー」が1月25日、2年間の改修工事を終えて、新たにオープン。ドイツ人写真家アンドレアス・グルスキー氏の写真展が始まった。

屋上のピラミッド部分は現在、赤や青など1時間毎に色が変わる光のアートで彩られている(3月25日まで)。また隣接する「クイーン・エリザベス・ホール」「パーセル・ルーム」の改修も進み、今年再オープン予定。© Morley Von Sternberg

テムズ河沿いに佇むコンクリート造りの「ヘイワード・ギャラリー」で、改修プロジェクトの要となったのはピラミッド型の屋根。建物の上にギザギザに突き出したこの屋根は、今から50年前の1968年にオープンして以降、同ギャラリーのアイコンとして知られてきた。当時アドバイザーを務めていた彫刻家ヘンリー・ムーアが、「神聖なる自然の光(God's good daylight)」が注がれる空間にしたいと希望して取り付けられたものだ。
ところが、当時の技術ではガラス張りの屋根を維持しつつ室内の状態を展示の目的に合わせて良好に保つことは難しく、完成後まもなく室内に天井が付け加えられた。その結果、設計の意図に反し、光がさえぎられることになってしまった。
今回のプロジェクトでは、その天井を取り払いバージョン・アップした66機のピラミッドを設置。それぞれのピラミッドの片面には半透明のガラスがつけられており、日光を和らげて優しい光が室内に差し込む構造となっている。またこのおかげで、上階の展示室に高さの余裕がうまれ、展示スペースとしての可能性が広がった。
新生ヘイワード・ギャラリーの最初の企画として現在、世界的な写真家アンドレアス・グルスキー(Andreas Gursky)氏の写真展が開催中。時に5メートルにおよぶ巨大な写真を通し、人間と社会、自然の関係を描きだすことで知られる同氏の作品が、オープンスペースの空間に堂々と掲げられている。誕生から50年を迎えて新たなスタートを切ったヘイワード・ギャラリーがどんなアートでで私たち来場者を魅了してくれるのか、今後も乞うご期待!(文/西村千秋)

Hayward Gallery
Southbank Centre, Belvedere Road, SE1 8XX
アンドレアス・グルスキー展は4月22日まで
チケット:16ポンド
www.southbankcentre.co.uk/venues/hayward-gallery

写真左:コンクリートの重々しい外観とは異なる明るい軽やかな展示室/同右:上階の天窓から自然の光が差し込むほか、空を眺めることも可能。

週刊ジャーニー No.1020(2018年2月1日)掲載