■ ミュージカルや演劇の本場として、世界的に有名なロンドンのウェストエンド。人気のミュージカルから古典のシェイクスピア劇まで、さまざまな作品を鑑賞することができるが、今年は例年にも増して、ハリウッドでも活躍する大物役者たちがウェストエンドの舞台に相次いで出演することが話題になっている。今回は2025年上半期に上演されるものの中から、人気俳優が出演するオススメの作品を6つご紹介。(文/名取由恵)
ラミ・マレック、ギリシャ悲劇に挑戦Oedipus

『ボヘミアン・ラプソディ』でアカデミー主演男優賞を獲得したラミ・マレックと、『ゲーム・オブ・スローンズ』のインディラ・ヴァルマが出演。ソポクレスによるギリシャの有名な悲劇『オイディプス王』を注目の若手作家エラ・ヒクソンが新たに翻案し、オールド・ヴィックの芸術監督マシュー・ウォーチャスと振付師のホフェッシュ・シェクターが演出を手がける。
ジョナサン・ベイリー、シェイクスピア劇で主演Richard II

シェイクスピアの歴史劇『リチャード2世』を、Netflixドラマ『ブリジャートン家』のアンソニー役で人気がブレイクしたジョナサン・ベイリーの主演で送る。弱冠10歳で王位を継承したリチャード2世が、従弟ヘンリー・ボリングブルック(後のヘンリー4世)との政争に敗れて国王の座を追われ、暗殺者の手にかかって倒れるまでを描く。
トムヒ、再びシェクスピア作品に挑むMuch Ado About Nothing

数多くのシェイクスピア作品に出演してきたトム・ヒドルストンが、喜劇『空騒ぎ』のベネディック役を演じる。ベアトリス役は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)でも共演しているヘイリー・アトウェル。演出はウェストエンドで精力的な活動を行うジェイミー・ロイド。シシリー島のメシーナを舞台に、2組の恋人たちが試練を乗り越えて結ばれる様子を描く。
ケイト・ブランシェットほか、豪華キャスト集結The Seagull

チェーホフの戯曲『かもめ』に、アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞など数々の受賞歴を誇るケイト・ブランシェットが、大女優のアルカージナ役で出演。トリゴーリン役はトム・バーク、トレープレフ役はコディ・スミット=マクフィー、ニーナ役はエマ・コリン。前売チケットはすでに完売しているが、2月に追加チケットが販売される予定。
ユアン・マクレガー、17年ぶりのウェストエンドMy Master Builder

『スター・ウォーズ』シリーズなどで根強い人気を誇る、ユアン・マクレガーの主演作。イプセンの戯曲『棟梁ソルネス』をもとにした米脚本家リラ・ライチェクの新作で、演出はマイケル・グランデージ。ハンプトンに住む出版界の実力者エレナは、建築家である夫ヘンリーのためにパーティーを開くが、そこにかつてヘンリーと不倫関係にあった元生徒が現れ…。
ジャック・ロウデンとマーティン・フリーマンが競演The Fifth Step

昨年、エディンバラ国際フェスティバルなどで好評を博したデイヴィッド・アイルランドの戯曲が、ウェストエンドに登場。『窓際のスパイ』のジャック・ロウデンが、アルコール依存症を克服するための12ステップ・プログラムに参加するルカを再演。ルカを導く「メントー」であるジェームズを演じるのは、『SHERLOCK/シャーロック』のマーティン・フリーマン。
週刊ジャーニー No.1379(2025年2月6日)掲載