■米国・イスラエルとイランの戦争により、ホルムズ海峡を通過する原油や天然ガスの輸送が大きく妨げられ、世界のエネルギー価格が急騰していることはご承知の通りだ。ガソリン価格が上昇したのを皮切りに、英国では家庭用暖房費の値上がりも避けられない見通しだ。しかし影響は燃料だけにとどまらず、食品や医薬品、電子機器など幅広い分野に及ぶ可能性がある。各メディアが報じた。

ホルムズ海峡は世界有数の物流の要衝で、戦争前には1日100隻以上の船舶が通航していたが、現在は大幅に減少している。特に懸念されているのが肥料の供給不足だ。尿素やアンモニアなど世界の肥料の約3分の1が通常この海峡を経由しており、供給が滞れば農業生産に影響が及ぶ。専門家は小麦や果物、野菜の価格上昇につながる可能性を指摘している。また、半導体製造やMRI(磁気共鳴画像診断装置)に欠かせないヘリウムも影響を受けている。世界供給量の約3分の1を担うカタールでは、ミサイル攻撃による被害で主要施設が操業を停止しており、復旧には数年かかる見込みとされている。このためスマートフォンやコンピューター、データセンター関連機器の価格上昇が懸念されている。
医薬品分野でも影響は深刻だ。湾岸諸国は医薬品の原料となる石油化学製品の重要な供給地であり、鎮痛剤や抗生物質、ワクチンの製造に欠かせない。さらにインド製ジェネリック医薬品の輸送拠点であるドバイの物流網も混乱しており、医薬品価格の上昇につながる可能性がある。
加えて、電池や金属加工に必要な硫黄の供給にも支障が出ている。硫黄はリチウムやニッケルなど電池材料の精製に使用されるため、電気自動車や家電製品、電子機器などバッテリーを搭載する製品全般の価格上昇を招く恐れがある。ホルムズ海峡の混乱が長引けば、世界経済や消費者生活への影響はエネルギー分野を超えて広がるとの見方が示されており、一刻も早く真の停戦合意が成るよう世界が望んでいる。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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