■英国最高裁判所は16日、「女性」という言葉は平等法において生物学的な性別を意味すると全会一致で判断を下した。判決はスコットランド、イングランド、ウェールズ全域における性別にもとづく権利の解釈に重大な影響を及ぼす可能性がある。BBC(電子版)が報じた。

この判決では英国最高裁が、長年にわたって議論されてきた問題に終止符を打ち、2010年平等法における「女性」および「性別」という用語は「生物学的女性」および「生物学的性」を意味するとの解釈を明確に示した。判決により「女性」の法的定義は生まれつきの女性に限定され、トランス女性は女性用トイレや更衣室といった「単一性別空間」の利用権を持たないとされる。判決を受け、トランスジェンダーの権利擁護派からは強い反発が上がっており「悪質な判決」「人権の後退」などの批判が相次いでいる。一方、生物学的性別に基づく権利の擁護者たちは、「女性にとっての勝利」「常識の勝利」としてSNS上で歓喜の声を上げた。
最高裁が「女性」の法的定義を「生物学的性」に限定する判決を下したことを受けて19日(土)、決定に抗議する数千人の人たちがロンドン中心部に集結した。「緊急デモ」と銘打たれたこの抗議行動ではトランスジェンダーの権利団体、労働組合、地域コミュニティ団体などが国会議事堂前のパーラメント・スクエアに結集した。デモに参加した人たちは旗やバナーを掲げ、「トランスの解放を」「トランスに権利を」とシュプレヒコールを上げた。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)