■紅茶の横に添えられることの多い「カスタードクリーム・ビスケット」。英国人に愛されているお菓子だが、表面に彫られた模様が何であるかを知っている人は意外と少ない。「エクスプレス」紙(電子版)が伝えた。
地味だけど決して消えないロングセラー 「カスタードクリーム・ビスケット」。1908年に英国で誕生したと考えられており、バロック風の精巧なデザインが刻まれている。しかしカスタードクリームファンの多くは、その独特な模様や刻印について深く考えたことがない。
マンチェスター博物館に勤務する歴史愛好家ブライオニーさんがインスタグラムでその背景を共有した。ブライオニーさんは「1840年代から1890年代の英国では今日のポケモンカードよりも大きなブームがありました。それはプテリドマニア(Pteridomania)と呼ばれるシダ植物への熱狂でした。鉄道が登場し、辺鄙(へんぴ)な場所へ行くことが流行すると、人々は人里離れた場所でシダ類などの植物を探すことに熱中し、シダは友情、楽しい時代、そしてもちろん知性の象徴になったのです。ビクトリア朝の建築やバースデーカード、さらにはカスタードクリーム・ビスケットの模様にまでシダのデザインが使われるようになったのは、このためです」とその理由を説明した。どんなものにも深く楽しいエピソードが隠されている。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)