■8年の歳月と50億ポンド(約9500億円)をかけたロンドンのスーパー下水道建設工事が完了した。英各メディアが報じた。

スーパー下水道(super sewer)の正式名称は「テムズ・タイドウェー・トンネル(Thames Tideway Tunnel)。テムズ河に流出する下水の量を減らすために設計された。全長16マイル(25キロ)のパイプは同河に流出している最も汚染度の高い34の下水流出口を迂回させる。
ロンドンの複合下水道システムは人間が排出するし尿と雨水を同時に処理しているが、首都の人口増加に伴い、その処理能力が限界に近づいていた。通常時は、下水は下水処理場へ送られるが、近年では少量の雨でも下水道網が圧倒され、テムズ河へのオーバーフロー(流出)を引き起こしていた。新しく敷設されたスーパー下水道により、ロンドン中心部で溢れた下水のほとんど全てが処理できる状態に落ちつくまでトンネル内に貯蔵することが可能となる。約50億ポンドにまで膨れ上がった工事費はテムズ・ウォーターの利用者が年間約25ポンドずつ、数十年かけて負担する。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)