■学期中にもかかわらず、子どもを学校から連れ出してホリデーに行く親に対してより厳しい罰金が科されることが決まった。「インディペンデント」紙(電子版)が報じた。

パンデミック後の出席率の低下とホームスクーリング(homeschooling=在宅学習)を選ぶ親が増える中、イングランドでは学校への出席率を高めるため、許可なく子どもを学校から連れ出した場合、これまでよりも高額な罰金が科されることになる。現在、保護者に罰金を科すかどうかの決定権は自治体にあり、そのプロセスは自治体によって異なる。しかし、イングランド全土でより一貫したルールを確立するため、英教育省(DfE)は新しいガイドラインとして、子どもが校長の許可なく5日間学校を欠席した場合、すべての学校が罰金を考慮しなければならないとしている。
欠席の罰金は現在親1人につき60ポンドで、21日以内に支払われなければ120ポンドに上昇する。DfEは、罰金は80ポンドから始まり、160ポンドまで増えると発表した。罰金の引き上げは9月から実施される予定。イングランドでは2022年から23年の間に無許可欠席で40万件近い罰金通知が親に送付された。DfEの発表によると、罰金の約10分の9(89.3%)はスクールターム(学期)中の格安ホリデーを利用したことによる欠席だったという。
学校指導者組合(NAHT)のホワイトマン書記長は「罰金は長期欠席の改善にはほとんど効果がないことが長い間証明されている。長期欠席の理由は格安のホリデー狙いだけにある訳ではない。出席率低下に取り組むために本当に必要なのは欠席の背景にある真の理由を突き止めることだ。それ抜きでの罰金の引き上げは、すでに苦境に立たされている家庭や子どもたちをさらに追い込むことになりかねない」と話している。スクール・カレッジ・リーダー協会(ASCL)のバートン事務局長は「罰金を引き上げることは不合理ではない。誰も罰金を科すようなことはしたくないが、これは許されないことなのだという姿勢を示す必要がある。子どもの教育に悪影響を与えるだけでなく、学習の遅れを取り戻すために教師が時間を割かなければならない。これを許せば教育の現場は大混乱に陥ってしまう」と懸念を示している。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)