■ 英自然派化粧品ブランド「ボディショップ」の親会社アウレリウス・グループは、同ブランドの英国での事業が管財人の管理下に入ったと発表した。今後は200ある店舗の縮小や人員削減を進めつつ、事業を継続する。英各メディアが報じた。昨年11月、2億700万ポンドでボディショップを買収した投資会社アウレリウスは、クリスマス商戦の売上不振が1月にも波及したため、このような行動に出たと見られている。

ボディショップは創業者アニタ・ロディック氏が1976年、ブライトンでスタートさせた。顧客が空の容器を持ち込み、店内で補充する庶民派スタイルの先駆者となった。1984年に上場。4000ポンドで始めた会社の価値は8000万ポンドにまで上昇した。2006年、ロディック氏は事業を約6億5000万ポンドで化粧品大手「ロレアル」に売却。その翌年に65歳で亡くなった。
「ロレアルはブランドの利用の仕方に長けていたが、小売店の経営を知らず、その間にボディショップの魂が抜けてしまった」と識者は語る。10年後、ロレアルはボディショップをブラジルの「ナチュラ」に8億8000万ポンドで売却。そのナチュラも昨年11月にアウレリウスに売却した。ボディショップが右往左往している間に、自然派ブランドが台頭。ライバル企業が次々と新商品を送り出す中、同社は徐々に時代遅れとなっていき、若い世代にとっては「母のブランド」になった。とはいえ依然、同店に愛着を持つ人は多いため、完全消滅する可能性は低いと見られている。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)