■がんを患い、治療が始まっていることが公表されたチャールズ国王だが、病状が深刻になり、もしも退位することを選んだ場合、王位はどうなる? 気の早い「メトロ」紙(電子版)が報じた。

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英王室最後の退位は1936年のこと。エリザベス2世の伯父、国王エドワード8世は離婚歴のある米国人女性ウォリス・シンプソンと結婚するために王冠を捨てた。離婚歴のある人物と結婚することは英王室では数百年にわたってタブーとされてきた。
チャールズ国王が仮に退位すればウィリアム皇太子が国王となる。その場合、ウィリアム皇太子の第1子、ジョージ王子が継承順1位となる。2022年9月のエリザベス女王崩御により王位継承順位が1つずつ繰り上がった。また、退位はしなくても、国王としての任を果たせなくなる事態も考られる。UCL憲法ユニットの名誉上級研究員、ボブ・モリス博士は以前、「摂政法」は君主の体調不良の際にも発動される可能性があると述べた。「摂政法」は国王が病気などのために身体的な能力を失い、話すことも動くこともできなくなった時に発動され、摂政(regent)となった継承者が君主に代わって政務を遂行する。
モリス博士はその場合、「ウィリアム王子が政務を引き継ぎ、一部を除いて国王のすべての権限を持つことになる」と語った。歴史上、英王室で退位した君主は先述のエドワード8世の他、リチャード2世、スコットランドのメアリー女王、ジェームズ2世の4人のみ。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)