■南ロンドンのクラパムで腐食性物質を使った襲撃事件があり、9人が病院に搬送された。英各メディアが報じた。
事件があったのは1月31日(水)午後7時25分頃。ロンドン南部クラパムコモンのレッサーアベニューで、男が女性と女児2人に向かって腐食性アルカリ物質を浴びせかけた。
駆けつけた人々によると猛毒の化学物質に触れた被害者の皮膚は黒く変色し、剥がれ落ちたと話した。親子をターゲットとした攻撃であるとみられ、3歳と8歳の女児が負傷、その母親(31)は重傷を負った。母親は失明の可能性があるという。犯人はその場から逃走した。犯人の男も負傷しているとされ、CCTVには顔に大やけどを負った男の姿が映っていた。救助に当たった住民や5人の警察官も化学薬品に触れて軽傷を負った。
翌木曜日、警察は犯人をアブドゥル・ショクール・エゼディ(35)と発表。襲撃の数時間前にニューカッスルからロンドンに移動してきたようだと説明。重傷を負った母親の知り合いとみられる。
エゼディ容疑者はアフガニスタン出身で2016年に大型トラックの荷台に隠れて英国に入国。2度の亡命申請は当局により却下されていた。2018年1月、性的暴行容疑で逮捕され、2年間の執行猶予付きの9週間の禁固刑が言い渡された。その後、露出容疑で逮捕され、36週間の禁固刑が言い渡されたが2年間の執行猶予となりいずれも実刑を免れていた。エゼディ容疑者はその後キリスト教に改宗。神父の保証を得て3度目の亡命申請を行い、英国滞在の権利を勝ち取っていた。
ロンドン警視庁は容疑者逮捕につながる情報に最高2万ポンドまでの報奨金が提供されると発表した。2月5日(月)、警察が公表した情報は以下の通り。
●5日朝、22歳の男が犯人幇助の容疑で逮捕されて事情聴取を受けたが、その後保釈された。
●エゼディ容疑者が最後に目撃されたのは、襲撃から2時間ほど経過した1月31日水曜午後9時50分、ロンドンのサザーク・ブリッジ周辺。容疑者はロンドンの地下鉄で移動するために銀行カードを使っていたが、水曜日の深夜から使われた形跡がない。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)