■カリフォルニア大学の研究チームが、ほかのアルコール類は平気なのに、なぜか赤ワインを1杯飲んだだけで頭痛に襲われる人がいる原因を解明した可能性があると発表した。BBC(電子版)が報じた。
同大学によると、まず赤ワインで頭痛が起こる原因は、赤ブドウに含まれる「ケルセチン」と呼ばれるポリフェノールの一種が、体内のアルコール代謝を阻害するためだという。
ブドウは太陽の光を浴びてケルセチンを生成するため、たくさんの葉を持つ大きなブドウの木で大量に育てられた安価なブドウは日照時間が短く、ケルセチンが少ない。一方、高品質のブドウは葉が少なく、木も小さいので、しっかりと日光を浴びてケルセチンが多く作られる。つまり安価な赤ワインよりも高価な赤ワインの方が、頭痛持ちの人々には悪影響があるという。
また、少ない飲酒量ですぐに頭痛が起こるのは、「亜硫酸塩」が原因ではないかとされている。亜硫酸塩はワインの賞味期限を延ばし、鮮度を保つための保存料。ただ、一般的には亜硫酸塩の含有量は赤ワインよりも甘口の白ワインの方が多い。
もう一つの原因として考えられるのは、白ワインやロゼワインよりも赤ワインに多く含まれる「ヒスタミン」。ヒスタミンは体内の血管を拡張させる効能があるため、頭痛の引き金になりやすい。
あとは遺伝も関連があるとし、東アジアの血を引く3人に1人以上が、ビール、ワイン、蒸留酒などのあらゆる種類のアルコールに耐性がなく、飲酒すると顔面紅潮、頭痛、吐き気をもよおすという。これは、「アルデヒド脱水素酵素」と呼ばれるアセトアルデヒドを分解する主要な酵素で、東アジア人はこの酵素の働きが弱い人が多いと説明されている。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)