■世界を救うとも滅ぼすとも言われる技術を保有する企業の取締役会で、まるでネットフリックスのドラマになりそうなシナリオが展開中だ。BBC(電子版)が報じた。
今月19日、生成AI、チャットGPTを開発したオープンAI社のCEO、サム・アルトマン氏(38)が解任され、マイクロソフト社に入社することとなった。
オープンAI最上層部で激しい内部抗争が勃発したのは17日のこと。同社取締役会が突然共同創業者のアルトマン氏を解任したと発表。取締役会はアルトマン氏に対し「一貫した率直なコミュニケーションを取らなかった。リーダーとしての信頼を失った」とブログで非難した。この動きはテクノロジー業界全体を震撼させた。同社に投資している人たちにとってもまさに寝耳に水だったとされる。
取締役会はわずか6人で構成されている。共同創業者のグレッグ・ブロックマン氏も辞任、同社を去った。つまりアルトマン氏とオープンAI社を良く知る4人が何らかのすれ違いで限界点に達し、事態があまりに深刻だったために即座に行動を起こしたということのようだ。
ところが、オープンAIの取締役の一人、イリヤ・サツキーヴァー氏は「こういった極端なアクションは絶対に不可欠だと感じられない限り取らないものだ」と話しながらも後悔の念を明らかにした。その後、アルトマン氏とブロックマン氏の復帰を求める激しい抗議のメールが多数寄せられ、事態は再び急展開。
2人の復帰が認められなければ他の取締役全員がオープンAIを追われる可能性があるとされていたが、オープンAIの 770人中743人のスタッフがサム・アルトマン氏とともにマイクロソフト社に移ると公言したことなどにより、サム・アルトマン氏のオープンAI社への電撃復帰が決まった。今後、どのような展開となるのか予断を許さないが、穏やかな解決方法はチャットGPTでも分からない!? By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)