■「日本を無料で縦断した(I Travelled Across Japan For Free)」と題した動画が日本人を激怒させたことを受け、迷惑系ユーチューバーが謝罪するできごとがあった。英メディアが報じた。

問題の動画を投稿したのは240万人の登録者を持つキプロス国籍のユーチューバー、フィディアス・バナイオトゥ氏。同氏は賞金1万米ドル(約150万円)をかけたチャレンジ企画の一環として他の3人と長崎を別々に出発。いかにお金を使わずに青森まで辿り着けるかを競った。4人の他に途中で指示を出す年配の男も登場する。
かつてテレビ番組の企画でユーラシア大陸を横断したお笑いコンビ、猿岩石のようにヒッチハイクやバイトをしながらだったら良かったが、彼らがとった方法は親切な日本人にたかったり、新幹線無賃乗車やホテルでの無銭飲食等、犯罪行為のオンパレード。
まずバナイオトゥ氏は長崎で通りすがりの市民に無心し、バスに乗るものの80円足りなかったことで立ち塞がった立派な運転手さんによって警察に突き出された。5時間取り調べを受けて解放されると新幹線に無賃乗車。そのままトイレに立てこもったが、車掌に無賃乗車を疑われて新幹線を下ろされると突然体調不良を訴えた。警察が到着する前に逃走すると別の新幹線に飛び乗り、再びトイレに閉じこもるなどまさにやりたい放題。
他のメンバーたちも無賃乗車や行きずりの日本人に金銭をたかったり、車に乗せてもらうなどの行為を続けた。さらに5つ星ホテルで宿泊客を装い朝食を無銭飲食する様子なども公開されている。迷惑系ユーチューバーと知らず、彼らを助けようと登場する無垢で親切な日本人たちが気の毒に思えて、自分の親兄弟や知人だったらと思うと胸が痛くなってくる。
この動画を閲覧した人は「海外からまた迷惑なユーチューバーが現れた。こいつと他の3人も逮捕されるべきだ」「日本人の親切と礼儀正しさを利用する人たちには本当にうんざり」「こんなことは間違っている。人をだまして金を盗み、他人に無礼な振る舞いをしているだけだ」といった怒りの投稿をした。日本のソーシャルメディアではバナイオトゥ氏の逮捕を求める声が上がり、鉄道当局も更なる処分を検討しているという。
騒動に気が付いたバナイオトゥ氏は「ハロー、ビューティフルピーピル。もし私たちがあなたたちの気分を害したのであれば謝罪します。それは我々が目指したものではありません」と謝罪した。SNSユーザーは「本当に悪いと思っているのなら(収益化できないよう)動画を削除すべき」と求めた。動画は先週火曜日までに削除されたようだが、すでにコピーされた動画が拡散されている。8月にはジョニー・ソマリという米国人ライブストリーマーが建設現場に不法侵入し、「フクシマ」と繰り返し叫んだ疑いで逮捕されたばかり。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)