■ 酒好きにとって、1ヵ月の断酒は気が遠くなる作業に感じられる。しかし、より良い睡眠、輝く肌、スリムなウェストラインが得られるなら耐えられるのかもしれない。1ヵ月間丸々お酒を抜いた時、人の身体に一体何が起こるのか。デイリー・メール紙がチャリティ団体「ドリンクアウェア(Drinkaware)」のカレン・タイレル代表に聞いた。
【1週目】
タイレル氏は「飲酒を完全にやめると、最初に気づくことのひとつは夜、寝つきがよくなり、朝の目覚めがよくなることです」と話す。それは睡眠サイクルの重要なプロセスをアルコールが乱すからだという。アルコールを飲むと早く眠れると感じる人もいるが、重要なレム睡眠(急速眼球運動)を乱すので、翌日に疲れが残りやすい。
より良い睡眠だけが気分を晴れやかにしてくれるわけではない。だが、定期的な飲酒は、良好な精神衛生に欠かせない脳内化学物質を阻害する作用がある。飲み始めはリラックスした気分になるかもしれないが、アルコールは抑制剤であり、不安を助長させる。そのため、飲酒しないことでストレスや不安の感情に対処しやすくなる。
【2週目】
禁酒も2週間目に入ると、肌がつやつやになるかもしれない。飲酒は肌の脱水を促し、膨張し、くすみ、乾燥した状態にする。つまり、酒を断つことで見た目の印象が向上し、より健康的な肌になるという。
アルコールには利尿作用がある。したがって、酒を飲むと肌は健康維持に必要な水分と栄養素を逃してしまう。さらにアルコールは皮膚が剥がれる症状、乾癬(かんせん)や、顔が赤くなる酒さ(しゅさ)の引き金にもなる。禁酒するにしても酒量を減らすにしても、水分が多いほど肌が明るみを増すことに気づくはずだ。週に14ユニット(ビール6パイント、ワイン小グラス10杯分)以上のアルコールを毎日定期的に飲むと、肝臓にも悪影響を及ぼす。皮膚や白目が黄色くなる黄疸(おうだん)は重度のアルコール性肝疾患の兆候だと「ドリンクアウェア」は警告している。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)