■ フランス政府は余ったワインの廃棄と生産者支援のために、2億ユーロ(約300億円)を計上する。「ガーディアン」紙(電子版)などが報じた。

ここ数年、フランスではクラフトビールや他の飲料に切り替えるなど、ワインの需要が減少。過剰生産と生活費の高騰も業界を直撃している。特にボルドー地方は消費習慣の変化、生活費の高騰、パンデミックの後遺症など、様々な問題に直面。地元農業組合は、ボルドー地方のワイン生産者の3社に1社が、財政難に陥っていると話す。
2億ユーロの予算のほとんどは在庫の購入に充てられ、アルコールは手指消毒剤や洗浄剤、香水などの用途のために再販される。過剰生産を減らすため、ワイン生産者がオリーブ生産などに切り替えるための資金にも使われる。マルク・フェスノー仏農相は「資金投入はワインの価格暴落を食い止め、生産者が再び収入源を見つけられるようにするためのもの。業界は将来を見据え、消費者の変化を考え、適応する必要がある」と強調した。
欧州委員会が発表した6月までの年間データによると、ワインの消費量はイタリアで7%、スペインで10%、フランスで15%、ドイツで22%、そしてポルトガルでは34%減少している。その一方、世界最大のワイン生産地であるヨーロッパ全体のワイン生産量は4%増加している。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)