■ 新型コロナウイルスへの有効性に期待が寄せられる一方、ワクチン学会などが慎重な対応を求めるなど、注目を集めているBCGワクチン。米国の研究チームが関連データを発表したことを「デイリー・メール」(電子版)が伝えた。
米ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームが研究者用に一般公開されているデータをもとに分析したところ、BCGワクチン接種を実施していた国は、新型コロナでの死亡率がそうでない国より5.8倍低かったという。
BCGワクチンとは、結核に対する免疫を与えるために用いられるもので、これまでにも他の効果が知られてきた。たとえば、呼吸器に対する防御力を増進させるなど、目的外の効果があったとされる。
英国では、1953年から2005年にかけて、学校に通う10〜14歳の児童がBCG注射を受けてきた。結核の罹患率が下がるにしたがって医師らが接種を中止するようになり、2005年には家族が結核に感染した児童のみを対象とすることに変更されたという。
新型コロナに対するBCGワクチンの有用性を評価するための試験は、すでに先月オーストラリアで始まっており、4000人の医療従事者を巻き込んで行われているという。
By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)