■ 未成年者の性的人身取引などの罪で起訴された米富豪のジェフリー・エプスタイン被告(66)が10日、ニューヨーク・マンハッタンの拘置施設で首を吊った状態で発見された。クリントン元米大統領、トランプ米大統領など、米政財界に広い人脈を持つばかりか、エリザベス女王の次男、ヨーク公アンドリュー王子(59)とも親交があっただけに、英国でも大きな話題となっている。
英各メディアの情報をまとめると、ヘッジファンド経営者として財を成したエプスタイン被告は、未成年に対する性的目的の人身取引などの罪で7月上旬に起訴されていた。エプスタイン被告は2002~05年にかけて米マンハッタンおよびフロリダの自宅マンションで、未成年の少女らに金銭を払い性的関係を持ったとされ、被害者の中には14歳の少女もいたという。また、性的に搾取するためのネットワークを築いていたことも報じられている。
被告は無罪を主張したが保釈は認められ ず、有罪となった場合、最長で45年の禁錮刑が科される可能性があったという。
アンドリュー王子疑惑、再び
同被告の死の前日9日には、裁判所が2000ページにおよぶ法廷文章を公開。同被告の「性の奴隷」と主張するヴァージニア・ジュフリーさん(36)の証言に焦点を当てたもので、その中にはアンドリュー王子に関する記載もあったとされる。
アンドリュー王子は2015年にも、未成年の少女と性的関係を持ったとする疑惑が浮上。ジュフリーさんが17歳のときにエプスタイン被告から命じられ、王子と関係を持ったことを主張し、英王室は「断固として(疑惑を)否定する」と声明を発表した。
今回のニュースが報道された週末、アンドリュー王子はエリザベス女王とともにスコットランドのバルモラル城に滞在していた。日曜朝に教会へ向かう車にはエリザベス女王も同乗し、王子らと談笑する姿が目撃されており、女王は王子をサポートする姿勢であることがうかがえる。
一方、エプスタイン被告の死については、さまざまな憶測が飛び交い、FBIが調査に乗り出している。同被告は、7月6日に逮捕されて以降、23日に自殺未遂を図ると、一度監視下に置かれた。しかし1週間後に通常の監房に戻されていた。本来であれば、監視を解かれた後、一人で監房に入れられることはないとされるが、エプスタイン被告は一人だったとされる。30分毎に予定されていた見回りも行われなかったことも報じられ、司法当局のずさんな監視体制が指摘されるとともに、スキャンダルをもみ消すために殺害されたのではないかとも噂されている。
エプスタイン被告の死亡により、元恋人で同被告に政界人・セレブらを紹介していたとみられる、メディア王ロバート・マクスウェルさんの娘ギレイン・マクスウェルさん(57)の動向にも注目が集まっている。
By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)