コンクリート造りの無骨なブルタリズム建築が面白い!?

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ぶらりんぐロンドン

ジャーニー編集部がロンドンの街をぶらりとレポート

コンクリート造りの無骨なブルタリズム建築が面白い!?


(C)Sophia Schorr-Kon. Courtesy National Trust

 

セント・ポール大聖堂のバロック建築、ウェストミンスター宮殿のゴシック・リバイバル建築、住居に見られるジョージアン建築など、歴史の息吹を感じさせる建造物が建ち並ぶロンドン。その美しい街並みの中で、サウスバンク・センターやバービカンといったコンクリート造りの巨大な建物は、装飾性や個性も薄く、決して万人受けするような外観とは言えなさそう…。ですが、現在ナショナル・トラストでは「ブルタリストBrutalist/Brutalism建築」と呼ばれるそれらの建造物に着目したイベント「Brutal Utopias」をシリーズで開催中。歴史的建造物の保護を行うナショナル・トラストも、モダンな建物に取り組むのか(へぇ~)と意外に思い、サウスバンク・センターで行われている見学ツアーに参加してきました。


(C)Sophia Schorr-Kon. Courtesy National Trust

このツアーは、改修工事のために9月21日に閉館した「クイーン・エリザベス・ホール」「パーセル・ルーム」「ヘイワード・ギャラリー」の舞台裏を回るというもの。1951年に開かれたFestival of Britainのために作られたサウスバンク・センター一帯の建造物にまつわる歴史、コンサート・ホール、アート・ギャラリーとしての機能的側面にも触れながら、換気制御室、地下トンネル、プロジェクション・ルームなど、一般に公開されていないエリアを歩きます(内部を細かく見ていくと、レトロという言葉がぴったり。時代が感じられます)。


(C)Sophia Schorr-Kon. Courtesy
        National Trust


(C)Sophia Schorr-Kon. Courtesy National Trust

ブルタリストあるいはブルタリズム建築は、第二次世界大戦からの復興期を象徴する建築様式です。Brutalistの言葉の語源は、フランス語の生のコンクリートを意味する「beten brut」にあるのだとか。Brutal(冷酷な、荒々しい)と表現できそうな外観のせいではないようです。


(C)Sophia Schorr-Kon. Courtesy National Trust

同団体によると、ブルタリスト建築は、全盛期だったころから賛否がわかれ、住居として用いられると、コミュニティの良好な生活環境に悪影響を及ぼす(!)との指摘もあったようです。しかし近年、若い世代を中心に、ブルタリズム建築は高く評価されるようになってきているとのこと。同団体でロンドン・クリエイティブ・ダイレクターを務めるジョセフ・ワトソンさんは「好き嫌いはあるでしょうが、これらの建物は英国建築の一時代を築いたものとして保存すべく、注目していきたい」と話されていました。英国の建造物はこんな風にして『歴史』となっていくのですね。編集部C

Brutal Utopias
9月25日(金)~10月4日(日)
www.nationaltrust.org.uk/article-1355911171331
※サウスバンク・センターでのツアーのほか、Park Hill(Sheffield)、University of East Anglia (UEA, Norwich)でもツアー開催中