ぶらりんぐロンドン

ジャーニー編集部がロンドンの街をぶらりとレポート

古城の多いウェールズ、カーディフ城を訪ねてみた

ロンドンから電車で3時間、コーチで3時間半で行けるウェールズの首都カーディフ。電車だと「Super Off-Peak Return」チケットを買っても£78してしまいますが、早めにコーチを予約すれば£12程度で往復できます。とくに、カーディフ城をメインの見学スポットにしたい人には、コーチがおすすめ。その場合は、終点の「Cardiff(Sophia Garden)」ではなく、ひとつ前の「Cardiff(Castle Street)」行きのチケットを選びましょう。カーディフ城の目の前にコーチが止まるので、とても便利です(下の写真はカーディフ城の入口)。

街の中心にあるカーディフ城では、古代ローマ時代に築かれた砦、12世紀にノルマン人が建てた天守閣(写真左下)、さらに19世紀ヴィクトリア朝時代に建造された豪勢な貴族の邸宅(写真右下)など、複数の歴史的特長を見ることができます。カーディフの歴史など、詳しいことはこちら(https://www.japanjournals.com/feature/holiday/7214-151119cardiff.html)を読んでから訪れると、より楽しめると思います。

ノルマン人が建てた天守閣は廃墟なので、ヴィクトリア朝時代に第3代ビュート侯爵が建てた邸宅へ入りました。まず目を引かれたのがステンドグラス。若干リカーディアン(極悪人とされているリチャード3世の名誉回復を目指す歴史家や歴史愛好家たちのこと)思考がある筆者としては、リチャード3世&アン・ネヴィル夫妻の姿に目が釘付け。バラ戦争を終わらせたテューダー朝の始祖ヘンリー7世&エリザベス・オブ・ヨーク夫妻が中央に据えられ、左にはランカスター家のジャスパー・テューダー&キャサリン・ウッドヴィル夫妻、そして右にヨーク家のリチャード3世&アン・ネヴィル夫妻がいます。リチャード3世についてはこちら(https://www.japanjournals.com/feature/survivor/6932-151001richard.html)の記事をどうぞ!

当時の人気建築家ウィリアム・バージェスが手がけた城は、中世イングランド、アラブ、旧約聖書、童話など、あらゆる方面からヒントを得て設計されており、部屋の装飾や家具にいたるまで、奇抜でありながら細やかな配慮が感じられます。ビュート侯爵が好んだという「アラブ・ルーム」の天井には金箔が用いられ、イスラム式の装飾模様が壁から天井にわたって続いています。

邸宅内でもっとも広い晩餐会用のバンケティング・ホールとライブラリー。

カーディフ城のショップ&カフェ・スペースの地下は、ミュージアムになっています。そこには、第二次世界大戦時に英陸軍の南ウェールズ部隊が、当時統治下にあったビルマで日本軍と戦った際に持ち帰った品々が展示されているブースがありました。見事な筆運びでたくさんの名前が書き記された日本国旗を見ると、何だか切ない気持ちに襲われました…。

カーディフ城前のバス停からは、同じくビュート侯爵と建築家ウィリアム・バージェスのコンビが建て直したコッホ城、ビュート侯爵が観光地として公開するために修復したケルフィリー城などへも行くローカル・バスが出ているので、古城観光したい人は行ってみては? (編集部 K)

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