ジャーニー編集部がロンドンの街をぶらりとレポート
F&Tミュージアムの「Tシャツ」展に行ってきた
日本では珍しいであろうTシャツのエキシビション、と聞いて「Tシャツ」展に行ってきました。
ファッション&テキスタイルミュージアム(Fashion and Textile Museum)はロンドンブリッジ近くのバーモンジー・ストリ ート(Bermondsey Street)にあります。可愛いショップやおしゃれカフェ&レストランが通り沿いにあり、心なしか歩いてい る人たちもファッショナブル。ぶらぶらと街歩きを楽しみなから、黄色い壁が目印のミュージアムに着きました。
チケットを購入して入ると、さっそく「Tシャツ」に関連する出来事が、Tシャツモチーフのパネルで年代順に紹介されてました。
このエキシビションは「T-SHIRT: CULT - CULTURE - SUBVERSION(Tシャツ:熱狂、文化、破壊)」ということで、「Tシャツ」を通してファッションはもちろん、音楽や政治などの歴史や文化を学べるようです。
言わずと知れた、セックスピストルズの"GOD Save THE QUEEN"Tシャツ。パンクの象徴的な存在です。裏表になったTシャツにプリントされているあたりにも、製作者の意図が隠れていそうですね。
ヴィヴィアン・ウエストウッドの初期から現在にいたるまでのコレクションが多く取り上げられていて、こちらは現在もあるキングズロード のショップ名「Worlds End」シリーズ。「Too Fast to Live, Too Young to Die」はかつての屋号です。
ヴィヴィアンというと、王冠と地球をモチーフにしたロゴが可愛く、エッジの効いたエレガントファッションというイメージを持つ人も多いと思いますが、ヴィヴィアンの作品は反骨精神あふれるものがたくさん!
コムデギャルソン、渡辺淳弥がデザインした、ヴィンテージ・プリントのコラージュTシャツ。ファッションを通して文化的メッセージを打 ち出すデザイナーとして紹介されていました。
ターナー賞受賞の現代アーティスト、ジェレミー・デラーによるブレクジットTシャツでは、EU離脱の道を選んだ英国社会を風刺。
LGBTに関連したTシャツもありました。
こちらは蜂を守るために特定の殺虫剤の使用禁止を求める運動の一環で作られたTシャツ「SAVE THE BEES AND SACK PATERSON」。当時の環境相オーウェン・パターソンをクビにしろ! という強い主張も盛り込まれています。Tシャツが自分のアイデンティティや、自分の主義を伝えるツールであることがよくわかります。
ヴィヴィアン・ウエストウッドのコレクションTシャツってどんなのだろう? と気軽な気持ちで行った私には、思いのほか、過去の世界情勢や社会背景などをじっくり考えさせられるエキシビションでした。
以前、週刊ジャーニーでも「スローガンTシャツ」のトレンドが紹介されていましたが、主義・主張をもってファッショナブルにTシャツを着こなすことがかっこよく思えてきました。もし自分がスローガンTシャツを着るとしたらどんなものを着るのか。いつか挑戦したいと思います。(編集部Z)
83 Bermondsey St, London SE1 3XF
T-SHIRT: CULT – CULTURE – SUBVERSION
5月6日まで
入場料:9.90ポンド
※情報は2018年2月21日現在