ハワイ生まれのヘルシー丼
Poke ポケ
■国際色あふれるロンドンは食文化も豊か。常に新しい食が求められるロンドンのフード・シーンに新風を吹き込んでいるのが、ハワイ生まれの丼料理「Poke(ポケ)」だ。遠く太平洋からロンドンにやってきた、ハワイのソウル・フードを味わってみた。2016年10月6日 No.953
店員さん一押しの「OAHU」(小)。7.95ポンド。丼の直径は約18センチ、ボウルは浅めでお上品サイズ。
ポケとは、元々はハワイ諸島の先住民の言葉で「切り身」を意味し、現在はマグロをはじめとする生魚の切り身と野菜に醤油ベースなどのソースを和えた料理を指す。それらを丼のベースとなるご飯の上に豪快にのせ、さらに『ふりかけ』をかけた、まさにハワイ版の海鮮丼が、今ロンドンで話題の「Poke」の正体だ。 元来、ハワイでは生魚を塩などで味つけして食べる習慣があり、そこにアジア系の移民から伝わった食材が加えられ、米の上にのせる丼料理に進化。今やハワイ名物として、観光客にも親しまれるようになっている。 『ハワイアン・スシ』とも紹介されるポケ。ヘルシー・フードの代表格としてすっかり定着しているスシのハワイ版とあれば、健康オタクで新しいもの好きのロンドナーにもウケそう。
フィッツロビアにある「AHI POKÉ」(3 Percy Street, London W1T 1DE)。ハワイのさわやかな空気が伝わってくる店構え。
早速フタを開けると、一番に相性抜群のゴマ油と醤油の香りが漂い、早くかきこんで食べたい衝動にかられる。一口目の印象は思っていた通り、醤油ベースのソースが新鮮なマグロに合わないわけがなく美味! さらに玄米とシャキシャキとした野菜の歯応えが、新鮮なマグロとの好相性も見せる。玄米がポロポロとしているので、ご飯物というよりサラダ丼といった感じだ。マグロのほかにサーモンやエビ、ベジタリアン向けのマッシュルームのポケもあり、ベースは玄米のほか、スーパー・フードの代表格ともいえるキヌアやケールもある。『次回はキヌアとサーモン!』と、すっかりポケファンになってしまった。 「ポケ」を提供するのは同店だけでなく、トレンディなレストランが立ち並ぶソーホーにもこの夏、日本産の抹茶や抹茶のデザートとポケが味わえるジャパニーズ・カフェ「Tombo Poké & Matcha Bar」(www.tombopoke.com)がオープンした。ポケの後に抹茶のデザートまで味わえるとは何て贅沢。健康オタクのロンドナーだけでなく、刺身好き、ハワイ好きの、多くの日本人のストライク・ゾーンにもはまりそうなポケ。一度その味を試してみては? )(写真・文/ネイサン弘子)