献立に困ったらCook Buzz
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マイ・ビールをもっと手軽に

専用スタジオでビール造り

■数多くの小規模醸造所が個性を競うようにビール造りに取り組むロンドンで、「オリジナルのビールを造りたい!」という思いを抱いている人も多いはず。そんなビール愛飲家の力強い味方となるスペースがイースト・ロンドンに登場した。

2016年4月28日 No.930

土曜日の夕方、ハックニー地区クラプトンにある「Brew Club」に足を運んでみると、広々とした空間に、仕込み用の機械が並べられ、男性らがそれぞれ黙々と仕込みを行っていた。
IT業界に従事していたロブ・ベレゾフスキーさんが友人のジョー・ルウェリン・ジョーンズさんと昨年末にスタートさせたこの施設では、ビール造りに必要な機材をすべて用意。ビールを造りたい人のためにスペースを貸し出している。
利用法はいたって簡単。①ウェブサイトから予約し、②当日「Brew Club」を訪れ、仕込みを行う(およそ6時間)。③発酵させるため、専用倉庫に移動する。④2週間後に再び訪れ、ボトリング。自宅へ持ち帰る。⑤1ヵ月ほど寝かせれば、いよいよ飲み頃!

▲Brew Clubを立ち上げた、ロブ・ベレゾフスキーさん(左)と、ジョー・ルウェリン・ジョーンズさん。

一般の家庭でビールを作る場合、大きな鍋があれば仕込みは可能だが、「Brew Club」で使われるのは、ドイツ製の機械「Braumeisters」。時間や温度管理ができ、より美味しいビールを造るのに一役買ってくれるという。そのほか、麦汁冷却装置、シンク、秤、バケツなどが用意され、機材を自分で購入したり、管理したりする必要がなく、気軽に取り組めるのが嬉しい。
何よりも魅力的なのが広いスペース。「自宅で造るとなるとニオイを気にする人も多いけど、ここなら安心してビール造りに没頭できる」とベレゾフスキーさん。床やテーブルに麦汁が飛び散って周囲にニオイが広がり、家族やフラットメートから怒られる心配はなさそう。発酵中のタンクの置き場に頭を悩まされることもナシ!
1スペース(「Brew Club」では「station」と呼ばれる)を利用するのにかかる費用は60ポンド。こだわりのレシピがある場合は材料を持参してもよいし、当日購入することも可能(15~20ポンド)。これにボトル代(20ポンド~)が加わる。少々高く感じられるかもしれないが、500ミリリットル×40本のビールが出来上がると思えば決して悪くはない。
ビール造りの知識がまったくない人も、もちろんウェルカム! 毎週土曜日には、初心者クラス(午前10時~午後2時30分)が設けられ、造り方の基本を学びながら、マイ・ビール造りに挑戦することができる(材料・ボトル代込みで120ポンド)。初心者クラスで造り方を習得したら、次はステーションを予約して、自分のレシピを試すなど、オリジナルを追及するのも悪くはない。1回限りのつもりが、生涯の趣味に発展したりして…!?

左/清潔に保たれた道具が並ぶ施設内。併設されるバーで、『仕事』後の1杯も楽しみ!?
中央/ビール造りに欠かせないホップ。
右/仕込みスペースの奥にある専用倉庫では、適正な温度管理の下で発酵が進む。

Brew Club
Unit 9, The Tram Depot 38-40 Upper Clapton Road, E5 8BQ
www.brewclub.uk.com
月曜定休


(写真・文/本誌編集部 西村千秋)

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