急成長中の出前サービス

Deliverooとは?

■黒地にエメラルドグリーンの差し色と、カンガルーのイラストが描かれたリュックやジャケットを身につけ、自転車、スクーターにまたがる人々。近頃あちこちに出没する彼らの姿を見たことがある人も多いのではないだろうか。その正体は、出前サービスを請け負う会社「Deliveroo(デリバルー)」のスタッフだ。何が人々にウケているのか、探ってみた。

デリバルーは、レストランの料理を温かいうちに家庭やオフィスに届ける事業を展開する。
利用法は簡単で、同社のウェブサイト(https://deliveroo.co.uk)に並ぶ提携レストランの中から店を選び、食べたいものをオーダー。注文時に食事代と、配達手数料2.50ポンドをカードで支払う仕組みだ。
平日のランチタイム。ジャーニー編集部でも注文してみることにした。ウェブサイトに所在地(ポストコード)を入力すると、近隣にある提携店が一覧で表示された。その数の多さに目を見張る。ソーホーに近い編集部の立地のせいもあるが、30分以内で配達可能な店がおよそ70軒! イタリアンやインド料理、ベトナム、タイ、和食から、ビールやフローズン・ヨーグルトまで、バラエティ豊かだ。その中から注文内容を確定して、到着時間を午後1時に指定し、支払いを完了。あとは到着を待つのみ。この間、利用者は注文状況を追跡することも可能。注文確認メールに記されたリンクをクリックすると、画面上に準備中、配達中、到着、配達完了といったステータス(進ちょく状況)が順番に表示される。
ちょうど午後1時を回った頃、今か今かと待ちわびてステータスを確認すると、「到着」に変化。次の瞬間、ドアベルが鳴った。ほぼ時間通り! 扉を開けると、カンガルー印のリュックを背負った男性が立っていた。

▲パソコン、スマートフォン、タブレットなどから注文可能。無料のアプリが配布されているので、頻繁に利用する人は、ダウンロードしておくと便利に使えそう。

▲今回、編集部まで配達してくれた、フランス人のナチョさん。午後1時の時点で、すでに3ヵ所への配達を済ませたのだという。

デリバルーは、投資銀行のアナリストだったウィリアム・シュー氏と、ソフトウェア・エンジニアのふたりが脱サラし、2013年にロンドンで創業した。はじめの数ヵ月は、シュー氏自らが毎日6時間、スクーターに乗って料理を届けるなど、創業者ならではの苦労もあったという。
同社のサービスは、これまで出前に対応していなかったレストラン各社にとって新たな収入源になるとして、提携店を拡大中。また、独自のソフトウェアを導入して常に配達の効率化を図っており、注文から到着までに要する時間は平均で32分なのだという。
こうした企業努力の結果、現在では、ヨーロッパ各国をはじめ、シンガポール、ドバイにオフィスを開設するなど急成長。5000人のドライバーを擁するとされ、今や投資ラウンドでの評価額は6億ドル(約677億円)とも言われる。

さて、利用した感想は? 編集部が調べたところ一部のレストランでは、デリバルー用に通常のメニューよりも20~30%ほど高い料金が提示されていた。そのため、手数料だけでなく、料理の上乗せ分も払うことになりかねないのが残念なところ。ただ、昼食のために外出する時間のないときや、夕食を作る時間や気力がないという場合には、通常よりも少し多めに払うだけで、食事の選択肢が広がる、便利なサービスといえる。使えるか使えないかは利用者次第。一度試してみる?

(写真・文/本誌編集部 西村千秋)