アデル効果! 今年のコートは

フェイク・ファー

 

 

YouTube/AdeleVEVO  

 

 

■11月も終盤に差し掛かり、本格的な冬にいよいよ突入。「50年ぶりの寒さが記録されるのでは…」との予測もされる今冬、冬の必須アウターとして常連の「フェイク・ファー(人工毛皮)」のコートがより一層ホットなアイテムとして急浮上している。

 

ブームを牽引するのは、20日に発売を開始した新アルバム『25』が爆発的なヒットとなった英歌手アデル。発売に先駆け、先月22日に公開した新曲『Hello』のミュージック・ビデオは、わずか24時間のうちに2700万の再生回数を記録するなど、人々を魅了している。映像を見た人の多くが、毛皮のコートに身を包んだ彼女が力強く歌いあげる姿にじっくり見入ったのではないだろうか。
一方で、ファッションに関心の高い一般の視聴者や、多くのファッション批評家らにとって最大の関心事は、彼女のボリューム感のあるコートだった様子。動物愛護団体PETAは、そのコートが100%人工毛皮であるとのお墨付きを与えるなど、SNSを中心に話題を呼んでいる。今回ビデオ・プロデューサーを務めたカナダ出身の映画監督グザヴィエ・ドラン氏によれば、残念ながら「アデルが着用したのは特注のコート」とのこと。同じコートを手にするのは叶わなさそうだが、「フェイク・ファーの人気はますます高まっているので、似たようなものを探せるはず」と付け加え、注目度の高さを示した。
数多くのフェイク・ファー商品が発売される中、ファッション界で強い印象を残したのは、今年の春に行われたパリ・コレクションでフェイク・ファーのシリーズ「ファー・フリー・ファー」を発表したステラ・マッカートニーのコート=写真右端。1,590ポンドという価格で簡単に手を出せる商品とは言えないが、他にも、高級ブランドにとどまらず、Top Shop、Marks & Spencerなどリーズナブルな価格帯で幅広いデザインがそろうので、お気に入りの一着が見つかりそう。

本物 VS フェイク



ところでフェイク・ファーといえば、本物の毛皮に比べて一般的に安価であることや、動物愛護の観点からも広く愛用されている。技術の向上により本物と見紛う製品も店頭に並ぶのが現状だ。
しかし近年では、環境問題を背景に人工毛皮も議論の的となっている。それらはナイロンやアクリルなど、石油を原料 に作られることから、「The International Fur Trade Federation(国際毛皮連盟)」は、「製造にあたり、再生不可能なエネルギーの使用は、本物の毛皮の3倍にものもぼる」と主張。さらに、「人工毛皮を作る工場では、製造の過程で発がん性物質が排出されるため、労働者の健康リスクが2倍も高い」と非難している。
本物の毛皮を正当化するための言いがかりとも取れなくはないが、毛皮をめぐっては本物か人工か、それぞれ相容れない主張があり、議論は今後も続きそう。でも今年はアデル効果で、ひとまずフェイクの勝ち!?(文/本誌編集部 西村千秋)

 

 

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