卵が主役の レストラン
続々オープン!

 ポーチトエックとマッシュルームが主体のHerb Roasted Mushrooms, Poached Eggs, Truffled Hollandaise,
Parmesan on Sourdough Toast 8.95ポンド。


■イングリッシュ・ブレックファストの目玉焼きやスクランブル・エッグなど、朝食に欠かせない食材、卵。当然のように食卓に並び、あえて注目するほど『華』のある食材ではない。にもかかわらず、卵にスポット・ライトを当てたレストランが次々にオープンしているという。その現状を探った。

 

今年6月、ロンドン東部ダルストンのヴィンテージ古着店「Beyond Retro」内にカフェ「Foxcroft & Ginger」がオープンした。ソーホーなどにも店舗展開する同カフェのメニューを眺めてみると、「ポーチト・エッグ・バー」と書かれた文字がひときわ目を引く。
ポーチト・エッグ(落とし卵)といえば、湯の中に生卵を落として作る卵料理のひとつ。人気シェフのジェイミー・オリバー氏は「パーフェクトなポーチト・エッグは、人生にささやかな喜びをもたらす」と、その魅力を語るが、黄身を半熟に仕上げたり、美しい形に整えたりするのは案外難しい。それゆえ、好みを追求する人も多い。
通常5~10分ほどで出来上がるところを、同店では63℃でじっくり1時間(!)かけて調理し、『完璧な』食感に仕上げる。「ポーチト・エッグ・バー」のメニューに並ぶのは、付け合せやソースをアレンジした6種類。自家製パンの上に卵を乗せたシンプルな一皿や、チョリソー、サツマイモなどを添えたボリュームたっぷりのもの、サーモンとベーコンを合わせたエッグ・ベネディクトなど、いろいろな味を楽しむことができる。
酸味を特徴とするサワードウ・ブレッドの上に、チェスナット・マッシュルームなど数種のキノコのソテー、ポーチト・エッグを乗せ、トリュフ入りのオランデーズ・ソース(卵黄とレモンをベースにしたソース)、さらにパルメザンチーズを散らしたメニューは、キノコの香りが食欲をそそる。店自慢の卵にナイフを入れてみると、色鮮やかな黄身がほどよくとろ~り(ゆるすぎない固さ具合が絶妙!)。軽い朝食のつもりで口をつけたが、しっかりとした味つけで思いのほか満腹になった。ブランチにぴったりのメニューだ。
一方、会員制クラブを運営する「Soho House」は、今年の夏、ノッティング・ヒルに「Egg Break」をオープン。卵の酢漬けを使ったサラダのほか、ポーチト・エッグを添えたカルボナーラ、卵のカクテルなど、卵づくしのメニューがそろう。
ほかにも、チキンと卵をテーマとするレストラン「Chicken & Egg Shop」が今年6月ロンドン南部のバラムに、昨年11月には、卵をベースに、アジア、米国、中東など国際色豊かな料理を提供するレストラン「Bad Egg」がシティに、それぞれオープンしている。
それにしてもなぜ卵なのか。その背景には、朝食メニューをディナーの時間帯でも食するのが米国で人気を集めたことにありそう。米国では「Brinner(breakfast+dinner)」という造語が作られたばかりか、マクドナルドでは、朝食メニューを朝に限定せず、一日中提供する(10月より米国で実施予定)意向であるなど、朝食の注目度は高まるばかり。こうした動きが英国にも波及した様子。普段食べ慣れた卵だが、店ごとにアレンジされているので、新しい食べ方を見つけに出かけてみる?(写真・文/本誌編集部 西村千秋)

Foxcroft & Ginger @ Beyond Retro
92-100 Stoke Newington Road, London N16 7XB
http://foxcroftandginger.co.uk

◀今年6月、ヴィンテージ古着店「Beyond Retro」内にオープンした「Foxcroft & Ginger」。