栄養たっぷり。お茶の代わりとしても!?
だしスープ

 

 


■骨をじっくりコトコト煮込んで出来上がる、旨みたっぷりの出汁。英語では「ボーン・ブロス(Bone Broth)」と呼ばれ、スープとして、栄養食として、改めて注目を集めているという。その現状を探った

 


ボーン・ブロスはオンライン等でもレシピがたくさん紹介されている。精肉店では無料で骨をもらえることもあるので、時間をかけて手作りするのもあり!
ボーン・ブロスの人気に火がついたのは、昨年秋のニューヨーク。鶏や牛などの骨からとった出汁をホット・ドリンクとして提供する専門店「Brodo」がオープンすると、連日行列ができ、「健康にも美容にも良い」として、ニューヨーカーを魅了した。この流行がロンドンにも波及。今年6月、ボーン・ブロスの専門店「Bone Tea」(209 Westbourne Park Road, W11 1EA/www.bone-tea.com)がロンドン西部に登場した。
5つ星「ローズウッド・ホテル」出身のシェフとダイレクターの2人組が期間限定で始めた同店。鶏、豚、牛のほか、マッシュルーム、フルーツの5種類がメニューに並び、お茶さながらにそれぞれティー・ポットで提供される。
一番人気は「Chicken Bone Tea」。鶏肉をメインに、コリアンダー、ライムリーフ、昆布などを長時間煮込んで作られる。出来上がった出汁は香りが高く、深い味わい。それでいて、クセはなく、後味は軽やか。意外と飲みやすい…!
同店では、オリジナルの調味料を8種類用意しており、味をアレンジして飲むことも可能。健康志向の高い人はそのままで、味の変化を楽しみたい人は色々試してみるのも良さそう。
骨を使わない、マッシュルームやフルーツも、じっくり煮込んで素材の旨みを抽出。桃の種やベリー類を材料とした「Fruit Bone Tea」は、「飲むスイーツ」として好評という。同店は10月末までの期間限定で、試験的に営業しているが、来年には主要駅数ヵ所に店舗を構える予定。「コーヒーの代わりにヘルシーな飲み物として楽しんで欲しい」とスタッフのひとり、ホルヘさんは話す。

 

 



左:Ledbury Roadに面した黄色い扉が目印の「Bone Tea」。レストラン「Bumpkin」のファースト・フロア内に
「Broth Bar Lab」と銘打つキッチンと飲食スペースを設け、自慢の味を紹介する
中:鶏肉がベースの「Chicken Bone Tea」(3.50ポンド)。注がれた瞬間、食欲をそそる香りが広がる
右:Bone Teaスタッフのホルヘさん。営業時間:月~木曜 午後5時~遅くまで。持ち帰り可。



一方、初のレシピ本『The Art of Eating Well』がAmazonの「Restaurant Cookbooks」部門で現在売上1位となっている人気急上昇中の料理研究家ヘムズリー姉妹もボーン・ブロスの魅力を提唱する。フィリピン出身の母親を持つ同姉妹は、幼い頃から家庭で作られる、骨の出汁に親しんできた。その影響を受け、スープや煮込み料理、ソースのベースとして、あるいはスクランブル・エッグの隠し味としてボーン・ブロスを活用。「作るのは簡単で、しかも美味しい。たんぱく質、ビタミン、ミネラル、コラーゲンなど、栄養価の高さも魅力」と太鼓判を押す。
豚骨スープや牛テール・スープなど、日本では骨の出汁を口にする機会の多かった筆者も、ヘムズリー姉妹のレシピをもとに牛骨を煮込んでみた。手間暇かかるのは否めないが、台所中に漂う香りの良さは格別。完成後は冷凍も可能とのことなので、必要に応じて使えば、料理の幅が広がりそう。自分で作るもよし、店へ出かけてみるもよし。試してみる?
(写真・文/本誌編集部 西村千秋)