駅があなたの私書箱に!?
最新ネット通販の配送サービス事情

■世界でもっとも世帯あたりのオンライン・ショッピング率が高いといわれている英国。
24時間いつでも注文ができる便利さが重宝がられる一方で、こと配送に関しては不満の声も少なくない。その解決策として誕生した新たなビジネスと、通販配送を取り巻く現状を探った。

 


ウォータールー駅にオープンしたDoddle。
利用方法は、①事前にDoddleのウェブサイトで利用登録。
②数字とアルファベットを組み合わせたコードが割り当てられる。
③オンライン・ショッピングで配送先を指定する際にそのコードとDoddle支店の住所を入力。
④指定した店舗に商品が到着するとemailかSMSが送られてくるので、
それを持って指定したDoddleへ。


時間を効率よく使うためにオンラインで買い物をしたはずが、商品の到着を家でじっと待ったり、運悪く不在にし、結局、集配所まで足を運んだ
り…。普段家を空けがちな人にとって不便さがつきまとう配送事情を背景に、「Click & Collect」が好調だ。オンラインで購入した後、商品を店頭などで受け取るこのサービスは、数年前からオンライン通販大手のAmazonやAsosをはじめ、オンライン・ショップを運営する各社で導入されている。オンラインの買い物客の間でもすっかり浸透し、3分の2以上の人が利用したことがあるという。受取所の数も年々増加。オンライン・ショップの実店舗だけでなく、各地のニュース・エージェント、オフライセンス・ショップなどでも受取可能となっている。



地下鉄駅の駐車場に設置されたAmazon Locker。
通勤や通学などの途中にピックアップ!=写真はフィンチリー・セントラル駅。

 


食品を扱う、Waitrose=写真、Asda、Tesco、Sainsbury's なども
駅での受取サービスをスタートさせている。

 
こうした中、さらなる利便性を図るべくスポットを当てられているのが、通勤、通学で毎日のように利用される「駅」。9月に、ロンドン・ウォータールー駅にオープンした「Doddle」は、鉄道駅の管理会社ネットワーク・レールと協力し、各オンライン・ショッピング・サイトで購入した商品の受取サービス(最初の3回は無料。以降1件1.95ポンド)のほか、国内への発送(6.49ポンド~)、商品の返品(Asosなどの提携先なら無料)も受付。「朝、出勤前にオンラインで買った商品をピックアップした後、トイレや職場などで試着して、合わなければ帰宅時に立ち寄って返品するといった利用者もいますよ」とアシスタント・マネジャーのイライザさん。一部の店舗では試着室も完備し、受取、試着、返品が1度に行えるという。
ロンドン市内では、同駅のほか、キャノン・ストリート駅、シティ・テムズリンク駅などでビジネスを展開しており、まもなくヴィクトリア駅にもオープン予定。2016年までに250ヵ所の開設を目指している。
一方、Amazonは6月、ロンドン交通局(Transport for London)と協力し、一部の地下鉄駅の駐車場に「Amazon Locker」を設置した。同社は2011年から国内のショッピング・センターや大学などにロッカーを設けており(その数、300超)、そこでは一部商品の受取・返品が可能。地下鉄駅との提携は現在のところ2駅にとどまるが、今後の増加が見込まれ、便利さは増すばかり。
クリスマスを控え、プレゼント探しに忙しくなるこれからの季節、オンライン・ショッピングにますます夢中になりそうだ。
(文・写真:本誌編集部 ニシムラチアキ)