野田秀樹新作舞台 NODA•MAP「正三角関係」世界配信決定
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大英博物館で開催中 Silk Roads

■ 東と西を結び、美しい宝物、技術、文化、思想を運んだ古代の交易路「シルクロード」。中東の港に運ばれた唐代の陶磁器からサフォークで見つかったインドのガーネットまで、世界中のあらゆる場所で発見された交易の品々を介し、そのネットワークの驚くべき広がりと、この重要な交易路が世界の文化と歴史をどのように形作ったかを解明する。
エキシビションの入口で来場者を迎える、手のひらサイズの小さな仏像。ガンダーラ仏教文化が花開いたパキスタンのスワート渓谷で、西暦500~600年代の半ばに作られたと考えられており、遥か5000キロ離れたスウェーデンのヘルゴ島にある、西暦800年頃に建てられた建物近くの発掘作業で発見された。

「シルクロード」と聞くと、アジアの砂漠をゆっくりと進むラクダの隊列を想像しロマンを掻き立てられるが、実際は東西を結ぶ単一ルートではなく、草原から砂漠を踏襲し、山を越え、海を渡り、極東の島国から遥か遠くのヨーロッパやアフリカまでをまるで葉脈のように繋ぎ、交差し重なり合っていたという。

道路や鉄道、飛行機で物理的に世界がつながり、インターネットの登場で劇的にグローバル化された今日の世界が形成される遥か昔、大陸をつないでいた交易ルートの東端として紹介されているのが「Land of the Rising Sun -- 日出づる国」、日本だ。エキシビションのスタートは、奈良の平城京から唐代の中国に派遣された遣唐使の紹介から始まる。日本から朝鮮半島、中国へ、さらに西へ西へとシルクロードは延びていった。東西が互いに利益を享受し、技術や文化を共有し、時に思想にまで影響を与えあっていた様子が、ルートを追うようにわかりやすく紹介されている。

シルクロード展の旅路の始まりは、奈良の平城京。朝鮮半島、中国、中央アジア、インド、中東、アフリカ、ヨーロッパまで続き、さらには海のシルクロードへとそのルートを広げていた。会場では、東から西へと順にシルクロードの重要地点を紹介している。

お香やスパイスなどの香りを体感できる工夫もされており、五感を刺激しながらかつての交易団の姿を想像すると、旅心を刺激されると同時に、脳内で琵琶や民族音楽の音色が再生され、とてもエキゾチックな気分になった。

ほんのりとお香の香りが漂い、民族柄のテキスタイルや美しいジュエリーが並ぶ特設ショップもお見逃しなく。(写真・文/ネイサン弘子)

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国家間の政治的関係を築く「外交ルート」としても重要だったシルクロード。金や銀は高品質の陶磁器とともに、皇帝や国王への貢物やその返礼品としてやり取りされた。
馬丁に引かれた馬とラクダが、生き生きと描かれたスケッチ。© The Trustees of the British Museum
シルクロードの代名詞ともいえる中国の遺跡、敦煌(とんこう)の莫高窟(ばっこうくつ)で発見された絹刺繍の掛け軸。西暦700年代に製作された。敦煌を後にし、過酷なタクラマカン砂漠へ足を踏み入れようとする行商人や宗教の伝道師が、旅の無事を祈ったに違いない。
上の掛け軸の釈迦牟尼の足元。細かな刺繍のステッチとシルクの光沢がよく見える。

Silk Roads

2025年2月23日(日)まで
The British Museum
Great Russell Street, WC1B 3DG
毎日:午前10時~午後5時
金:午前10時~午後8時30分
チケット:大人£22~、16歳以下無料
www.britishmuseum.org

週刊ジャーニー No.1363(2024年10月10日)掲載

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