「日本: 神話からマンガへ」と銘打たれ「となりのトトロ」の宣伝用イメージを見れば、大いな期待を寄せずにいられない本エキシビション。空、海、森、街を軸としたテーマからなり、日本の文化や自然から生まれた神話や私たちに馴染みのある昔話がわかりやすく紹介され、それらの物語が何世紀にもわたって日本のアート、デザイン、テクノロジーにどう影響を与えてきたかを探る。
日本国を象る「日本神話」から、我々が幼いころから慣れ親しんできた浦島太郎や妖怪話、七夕や月のうさぎの物語までを簡潔にわかりやすく紹介し、それらにちなんだ浮世絵やおもちゃ、マンガ本やアニメ映像、英国にもコレクターの多い『根付(江戸時代に使われた小さな留め具、現代でいうキーホルダーのチャームのようなもの)』など、バラエティーに富んだ展示品が並ぶ。
「神話からマンガへ」のコンセプトが果たしてどこまで子どもたちに伝わるかは未知数。逆に大人にはとって少々もの足りなくもないが、そこは家族向けのエキシビションとしてバランスを取っており、広々とした空間に触ったり座ったりして遊べる展示を散りばめ、文字情報を少なめにするなどしたことは子ども向けの博物館ならでは。
今後日本の昔話のストーリーテリングや折り紙体験、妖怪コスチューム制作やティーン向けのマンガのワークショップなど、日本に関する有料/無料の様々なイベントが開催される予定だ。今月末のハーフターム休みのお出かけにいかが?
Japan: Myth to Manga
2024年9月8日(日)まで
10am~17:45pm
Young V&A
Cambridge Heath Rd, E2 9PA
最寄り駅:Bethnal Green
チケット:10ポンド
www.vam.ac.uk/young
週刊ジャーニー No.1313(2023年10月19日)掲載