■ 英国の夏の名物といえばバーベキュー。自宅の庭に友達や知人を招待し、バーガーやソーセージ、串焼きなどの肉や野菜を炭火で焼きながら、飲んだりおしゃべりしたりのパーティーは格別に楽しい。でも、庭がない人もご心配なく。ロンドンではバーベキューが楽しめる公園があるのだ。今回は、バーベキューをするのにぴったりの公園を紹介しよう。（文／名取由恵）
ロンドンっ子に愛される憩いの場
Russell Square, Bloomsbury
大英博物館やロンドン大学が目と鼻の先というロンドン中心部にある、ブルームズベリー地区の公園。ベッドフォード公爵位を持つラッセル家に由来し、19世紀始めに造園された。2.5ヘクタールの豊かな緑が茂り、ロンドン市民に愛用されている。常時多くの人々が公園を利用しているので、ここでバーベキューをするのはちょっと気後れしそうだが、ちゃんと認められているので問題なし！敷地内にはカフェもあるので、肉に飽きたら立ち寄ってみて。
都会のオアシス
Lincoln’s Inn Fields, Holborn
コヴェント・ガーデンやウェスト・エンドのシアターにも近いロンドン中心部にありながら、およそ５ヘクタールもの敷地を誇る公園。テニスコートやバンドスタンドもある。名称は隣接する「リンカーン法曹院」に由来し、公園の周囲にはジョン・ソーン・ミュージアムやハンタリアン・ミュージアム（どちらも入館無料）などが入ったテラスハウスが並んでいる。普段から仕事帰りのピクニックなどでにぎわい、バーベキューも気軽にできる。こんな都会のど真ん中でバーベキューが楽しめることに感激だ。
若者たち愛用の公園
Cantelowes Gardens, Camden
カムデン・ロード沿いにある公園の芝生エリアで、バーベキューが可能。公園内には子ども向けのプレイエリア、BMXやスケートボード、ローラーブレード用のスケートパークのほか、３Gアストロターフ、アウトドア・ジムなどがもあり、いつも多くの子どもや若者たちでにぎわっている。若者のバーベキューにおすすめの場所。
ロンドンの景色を見渡せる小高い丘
Waterlow Park, Highgate
北ロンドンにあるハイゲート墓地に隣接する、29エーカーの広大な公園。３つの池、子ども向けのプレイエリア、テニスコートもある。もともとは元ロンドン市長だったシドニー・ウォーターロウ卿の私有地だったが、1889年に「庭のない庶民のための庭」として寄贈された。バーベキューが可能なのは、プレイエリアと中央池の近くにある２ヵ所の芝生エリアのみ（右写真のピンク色の場所）。午後７時までに終了するルールなので、ご注意を。
例年とちょっと違う⁉2023年ロンドンBBQ事情
ロンドン市内でも、カウンシルによってバーベキューの取組みが異なる。以前はバーベキューOKだったハックニー地区の「ロンドン・フィールズ」は、今年はNG。また、「ハイベリー・フィールズ」などがあるイズリントン地区も、火災の危険と環境への考慮から、公園でのバーベキューは「恒久的に禁止」とすることを発表した。さらに、サザーク地区も「バージェス・パーク」のバーベキュー・エリアを2020年３月で閉鎖している。今回紹介した４つの公園は、すべてカムデン地区内。同区にある公園では、今年は９月19日までバーベキューが可能だ。
カムデン地区内公園でのBBQ注意事項
● ディスポーザブル（使い捨て）とガスのバーベキューは使用不可。
● 適切な燃料、ファイアライターを使用。ガソリンや灯油、バイオ燃料は厳禁。
● バーベキューの火を消すための水を用意すること。
● バーベキューは木や家屋、公園の椅子、他の利用者から離れた地面に設置すること。
● 使用後の炭や灰は、十分に冷めてから専用ゴミ箱に捨てること。
● バーベキューには常に人がついていること。
● 他の利用者の迷惑にならないようにすること。
週刊ジャーニー No.1300（2023年7月20日）掲載
