イングランド王立外科医師会に再オープン The Hunterian Museum

© Hufton Crow
■ 生物や医学に関する膨大なコレクションを誇る博物館が「The Royal College of Surgeons of England(イングランド王立外科医師会)」の立派な建物の一角に、6年の閉鎖期間を経て5月、リニューアル・オープンした。知的好奇心を満たしに、早速出かけてきた。

『近代外科医学の父』『科学的外科の開祖』と呼ばれる18世紀の外科医・解剖学者のジョン・ハンターの名を冠したハンテリアン博物館が、受賞歴のあるデザイン・スタジオによる洗練された姿に生まれ変わった。

この博物館の核となるハンターが生涯をかけて収集したありとあらゆる生物の標本2000点以上を、手術器具や模型、絵画などと合わせて展示するとともに、エジプトの象形文字で記された外科手術の指南書から最新の医療ロボットまで、外科手術の歴史をたどることができる。中でも長廊下の左右にずらりと並べられた標本は圧巻。さまざまな生物や病気に侵された骨や内臓、奇形の子犬、胎児などの標本に困惑しながらも感心し、ハンターの生物と医学に対する飽くなき探求心に圧倒される。

医師会の建物の一角にある小さな博物館と軽く見ることなかれ、サラッと見て回るだけでも1時間は優に越える見応えだ。映像やタッチパネルで操作するインタラクティブな展示もあり、時が経つのを忘れて見入ってしまった。入場は無料!(文・ネイサン弘子)

小さな子どもにとっては刺激が強すぎる展示もあるが、好奇心旺盛な中高生は興味をそそられるだろう。© Hufton Crow
© Hufton Crow

19~20世紀初頭にかけてマッチ工場で働く労働者に多く見られた「リン中毒性顎骨壊死(英・俗称Phossy Jaw)」の人形モデル。
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MRIを怖がる子どもたちの恐怖心をなくすよう、その仕組みを楽しくわかりやすく説明するために作られたミニMRI模型
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ジキル博士とドリトル先生のモデル!?
奇人医師ハンター先生豆知識

● 読み書きが不得意で13歳で学校を辞めたにも関わらず、国王ジョージ3世の外科医に昇りつめた。
●1790年、世界初のヒトの人工授精を成功させる。
● 解剖用の新鮮な死体を入手するために墓荒らしと手を組んだり、処刑された罪人の死体の争奪戦に参加したりした。
● レスター・スクエアに現存するハンターの元邸宅にかつては死体搬入の為の裏口があり、怪奇小説「ジキル博士とハイド氏」のジキル博士の邸宅のモデルとなった。
● 世界中の珍しい動物を飼育していたことから、児童小説「ドリトル先生」のモデルになった。
● 標本コレクションを買うために、常に金欠であった。
● 金持ちから高額な治療費をとるが、貧乏人からは少額しかとらなかった人情の人。

Information

43 Lincoln's Inn Fields, WC2A 3PE
開館日時:火~土、10am~5pm
入場無料
https://hunterianmuseum.org

週刊ジャーニー No.1292(2023年5月25日)掲載

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