■相変わらずの物価高が続く英国。食費を節約するためにも、日々の生活に欠かせない食材は、スーパーを賢く利用したいもの。町のベイカリーで買う焼き立てのパンはもちろん魅力的だが、スーパーで買えるパンもなかなかの実力派揃いだ。今回はスーパーで買える美味しい食パン6つを取り上げてみよう。(文/名取 由恵)
M&S自社ブランドのお得な白パン

M&S, Ocado
Super Soft White Thick Sliced Bread 800g £0.85
名前の通り、やわらかくふわふわの厚切り。英メディアのブラインドテストでも見事1位に選ばれたこともある。このクオリティに85ペンスという価格でコスト・パフォーマンスも抜群。
種がいっぱいの、味わい深い白パン

Morrisonsほか
Hovis Seed Sensations Seven Seeds Medium Sliced Seeded Bread 800g £2.15
1886年創業の大手パン製造元、ホヴィス社の製品。ヒマワリ、カボチャ、リンシード、ポピーシード、キビなど、7種類の種をブレンド。オメガ3などの栄養分を豊富に含み、滋味深い味わい。
店舗内で焼き上げる種入り白パン

Sainsbury's
Multiseed Loaf, Taste the Difference 800g £1.50
ヒマワリとカボチャの種、リンシード(亜麻の種子)を入れ込んだ生地に、キノアとポピーシードを表面にまぶして焼き上げた製品。セインズベリーズの店内ベイカリー設備がある店舗で販売。
テスコのプレミアム自社ブランド白パン

Tesco
Sunflower & Pumpkin Loaf 600g £1.15
テスコのプレミアムブランド「ファイネスト」から出ている、ヒマワリとカボチャの種が入った白パン。大きめの種がこくのある深いフレイバーを作り出し、軽くてしっとりした食感も人気。
ヨークシャーのエコロジカルな食パン

Waitroseほか
Jacksons of Yorkshire Multigrain Brown Bloomer 800g £1.55
1851年にイースト・ヨークシャーで創業したジャクソンズ社のブラウン食パン。麦芽粉、大麦粉、オーツ麦、粗挽き小麦をブレンドし、トーストするとほのかな甘みが楽しめる。パーム油不使用。
英大手パン・メーカーのトラ柄パン

Asdaほか
Warburtons Sliced Tiger Bread 600g £1.70
1876年創業の大手パン製造元、ウォーバートンズ社の製品。やや厚め。表面の焼き目がトラ柄で、外はカリカリ香ばしく、中はふんわり。トーストするとこんがり黄金色に焼き上がる。
日本の食パン トリビア
メーカーが違っても厚さがほぼ同じなのはなぜ?
日本では、「4枚切り」「6枚切り」「8枚切り」などの食パンがスーパーで販売されているが、実は重さや枚数には基準がある。食パン1斤の重さは340グラム以上と定められていて、1枚の厚さは4枚切りが約30ミリ、5枚切りが約24ミリ、6枚切りが約20ミリ、8枚切りが約15ミリというのが基準。メーカーによってミリ数に多少の違いがあるのは各社が食感などを考えて調節しているため。
英国の食パン トリビア
400グラムや800グラムの食パンが多いのはなぜ?
1822年と1836年に制定された取引法「Bread Acts」により、300グラム以上の重さのパンは、400グラムの倍数で販売されなければいけないと定められていたため。同法令は2008年に撤廃され、以降は異なる重さの食パン製品が登場したが、 現在でも400グラムと800グラムが主流。
英語で食パンのミミはなんという?
英国では「crust」、米国では「the heel of the bread」(「かかと」の意味)と呼ばれるのが一般的。ドイツやフランスなどでは「パンの皮」と表現されている。ちなみに、日本で食パンの端が「みみ」と呼ばれるようになったのは、人間の「耳」と同じように端にあるからといわれる。
週刊ジャーニー No.1291(2023年5月18日)掲載