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パワーみなぎる新名所へ大変貌!Battersea Power Station

■ テムズ河の南岸にそびえ立ち、4本の煙突が目を引く旧バタシー・パワー・ステーション。老朽化した発電所を修復し、巨大複合施設として再開発する一大プロジェクトが進行中。9月20日にはノーザンライン「バタシー・パワー・ステーション」駅(および「ナイン・エルムズ」駅)が開業、それを祝したストリート・パーティーに足を運んだ。(写真・文/金子真弓)

1983年に廃業以来、40年弱の時を超えて生まれ変わる旧バタシー・パワー・ステーション(火力発電所)。同所および周辺には、商業施設、高級アパートメント、ホテル、オフィスが建設中だ。

プラットフォームの壁の色は、石炭を彷彿とさせるチャコールグレー。リフトとエスカレーターを完備し、車いすやベビーカーユーザーにも優しい作りになっている。
券売機の上部には、パタパタパタ…とパネルが回転し、色が変わるアート作品「Sunset, Sunrise, Sunset」が飾られている。朝日と夕日の循環を美しいグラデーションで表現。

土曜日の昼下がり、真新しい「バタシー・パワー・ステーション」駅に降り立ち、旧発電所のほうへ向かう。旧発電所内にはまだ入れないものの、その周辺はすでに「マチ」として活気づいている。レストランなど商業施設が集中している「ヴィレッジ」エリアは、デザイン性の高い個性的な外観の店舗が並び、目にも楽しい。ちなみに今回の再開発マスタープランを担当したのは東京国際フォーラムを手掛けたことでも有名な建築家ラファエル・ヴィニオリ氏である。

焼ズッキーニにアボカドムースを添えた、メキシコ料理のトスターダ。お洒落ストリートフードの王様。(4.5ポンド)
新旧の建築物が隣り合うCIRCUS ROAD WESTを歩く。
ダイナミックに壁を彩るスプレーアート。

点在するスプレー・アートやテムズ河を行き交うボートを見ながら、屋台が立ち並ぶ桟橋へ。かつてここで、海を渡り、南ウェールズなどからはるばる運ばれた石炭を降ろしていたのか…と過去に思いを馳せながら旧発電所を振り返ると、煙突のひとつに足場が組まれているのが見える。2022年に煙突の頂上からロンドンを一望できる展望台「チムニー・リフト」がオープンするのだという。

ヴィーガン向けの食べ物やバブルティーなどバラエティ豊かな出店が立ち並ぶ桟橋付近。
独特なアーチが美しい、高架下の映画館。

駅を降り立ち、地上で出迎えてくれたのは優しい笑顔のアイスクリームおじさん。
子供も思いっきり遊べる芝生コーナー。天気のいい日は日向ぼっこも気持ちよさそう。

(左)「General Store」入口。周囲にはドッグフレンドリーなレストランも多数。(右)地ビールを片手に散策もおすすめ!
ワインの品ぞろえが見事な「General Store」で見つけたオリジナルジュートバッグ。(Mサイズ5.99ポンド、Lサイズ6.99ポンド)

ストリート・パーティーで大きなシャボン玉と戯れる子供たち。
遠くに林立するビル群はVauxhall。右手にはかつて使用されていた石炭桟橋が見える。

テーブルやイスが設置されたボート乗り場周辺。石炭桟橋にもピクニックスペースあり。
コミュニティコーラスによる、力強い合唱。

ロンドン中心部からの利便性が向上し、ぐっと訪れやすくなったテムズ南岸エリア。ロンドンの新たな息吹を感じてみては?

もっと知りたい!
バタシー・パワー・ステーション

● 建築士は、赤い電話ボックスをデザインしたことでも有名なジャイルズ・ギルバート・スコット氏。1920年代、着工前には「巨大すぎて景観を損ねる」と地元住民から強い反対意見が上がったが、縦溝彫りの煙突を備え、アールデコ調のデザインを施した荘厳なレンガ建築物を見事に完成させた。
● 同所で使用された総レンガ数は、なんと600万個。
● 優れた発電能力を備え、一時はロンドン需要電力の5分の1を供給するほど!

1930年代に作られた模型。手前に見える石炭桟橋には最大240トン(毎時)もの石炭が南ウェールズなどから到着。

Information

Battersea Power Station
188 Kirtling St, Nine Elms, London SW8 5BN
https://batterseapowerstation.co.uk

週刊ジャーニー No.1210(2021年10月14日)掲載

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