回転寿司の 英国版!? 回転チーズ

■ このところロンドンに次々とオープンしているフードホールのひとつに、回転寿司ならぬ、回転チーズ屋があるとの情報を入手! 早速、つまみに行ってきた。

9月にコベントガーデンにできたばかりのフードホール「セブンダイヤルズ・マーケット」の一角に…あった! 楕円型にチェーン状のベルトコンベアが設置された、日本ではおなじみの回転寿司カウンター!! しかし、コンベアの上で廻っているのは、寿司ではなくチーズの小皿だ。
ユニークなスタイルで注目を集めるこの店「ピック・アンド・チーズ(Pick & Cheese)」は、ロンドンの人気チーズ専門店の姉妹店。とろっとろのチーズサンドイッチをトラック屋台で売る「The Cheese Truck」やカムデンのこだわりチーズの店「The Cheese Bar」に続いてオープンした。

写真左は、低温殺菌されていないチーズ「Baron Bigod」(5.25ポンド)。ブリーのように柔らかな味わい。マッシュルームのソテーを添えて。右の写真は、ウォッシュタイプのチーズ「Edmund Tew」(4.40ポンド)。添えられたバジル風味のブラックベリーソースがよく合う。各席に提供されるクラッカーと一緒に召し上がれ!

カウンター席についたら、目の前に流れてくるチーズを皿ごとベルトコンベアから自由に取る。価格帯によって皿が色分けされているのも(2.95~6.10ポンド)、最後に空皿の枚数で精算するのも、日本と同じだ。ひとつひとつの皿にはクリアガラスのカバーが掛けられているので、鮮度維持的にも衛生的にも安心。
寿司ネタと違ってチーズは見た目だけでは違いがわかりにくい。だが、その辺りは店側も抜かりなく、各皿には番号札がつけられ、その番号を手元のメニューと照らし合わせれば内容が確認できる。
スタッフ曰く「ここに名を連ねる20種類以上のチーズはすべて英国産」。原材料や製造法、熟成度などの違いによって味わいも複雑に変わり、皿にはそれぞれのチーズと相性の良いつけあわせが添えられている。見た目から直感で選ぶのも遊び心があって良いが、メニューとにらめっこしながら新しい味覚を発見するのも楽しい。

チーズばかりでは飽きちゃうよという人も心配無用。サラミやチョリソーなども廻っている。上の写真はブレサオラ(牛のハム、6.10ポンド)。

飲食業のベルトコンベア方式は「YO! Sushi」などの寿司チェーンのおかげで英国でも知られるようになったとはいえ、まだまだ珍しい。その目新しさと、初心者から上級者まで幅広いチーズ愛好家を満足させられる専門店としての質の高さの両方が、連日列ができるほどの賑わいにつながっているのだろう。なおかつ、おひとりさまでも入りやすい。筆者の隣席の女性は、ワインは飲まず3皿だけを味わい帰って行った。劇場街のど真ん中でもあり、観劇前の軽食にもおすすめだ。 (文・名越美千代) 

The Cheese Bar: Pick & Cheese

Seven Dials Market, Short's Gardens, London WC2H 9AT
4人以上用のブース席のみ予約可能
https://thecheesebar.com/seven-dials

週刊ジャーニー No.1111(2019年11月7日)掲載